クロサンショウウオ | |
暮らしとの関わり 昔はどこの家にもタネと呼ばれる池があった。 春、雪解けと共に上の写真のような白い卵が例年見られた。池には腹の赤いエモリもいたので子どもたちはこれはエモリの卵だと思っていたが実はクロサンショウウオの卵であった。幼体(正しくは幼生)は、独特の奇異とも想われる姿に見えたことを憶えている。幼生から幼体に移行する個体を捕まえて観察すると鰓と前脚の両方が見られたように記憶する。 今一度つぶさに観察してみたいものだ。(2019.5.4) 後年、筆者の作場のあったホウノキ山の小さな池で、クロサンショウウオの産卵作業の様子を初めて見て驚いた。産卵する一匹の雌の周りに20匹あまりの雄がかたまって群れている。生み出される卵嚢に精子をかけるためだという。後年、上石黒の嶺坂の小さな池の縁で見たモリアマガエルの産卵の様子を連想した。 先日下石黒の山の池でおびただしい数の卵嚢のかたまりを見かけた→参考画像 先日(2019.4.13)に石黒の生家の池で産卵期様子をビデオに納めたが、水中の数個の卵嚢(生み付け途中)の雌の雄が産卵を促すような動作が見られた。(下のビデオを参) ※産卵期の様子₋ビデオ資料-ビデオ ※産卵期の様子₋ビデオ資料-スライドショー ※クロサンショウウオの幼生-ビデオ (上写真2005.05.12下石黒) 産卵の様子2 撮影日2005.05.12下石黒 夥しい数の卵 右上の産卵場所(下石黒)を13年ぶりに同時期に訪れる-撮影2019.5.1(令和への改元日) 幼生-1 写真2019.9.12下石黒 |
解 説 サンショウウオ科 本州の福井県より東北地方に懸けて棲息する。平地から2000mの高山まで見られる。ふつうは林床部の落葉、倒木、石の下などにいる 体の長さは13~15㎝。雄は雌より大型で肛門の上部に膨らみがある。 産卵期は2月~5月ごろが最も多い。春に冬眠から覚めた後、陸から水域へと移動し、水中で雌雄が同時に産卵・放精し体外受精をおこなう。 房状になっている内の一つの卵嚢の中の卵の数は30~40個。 幼生は尾ヒレがよく発達している。丘陵地の水域ではかなりの幼生は夏から初秋にかけて変態するが、越冬して翌年の初夏に変態することも多い。 産卵期以外は林の落葉の下などで生活している。餌は陸上の小動物、すなわち、ミミズ、クモ、小型の多足類、昆虫、甲穀類などである。 産卵の様子3 撮影日2005.05.12下石黒 卵の産み付けられた池 撮影日2006.5.11下石黒 上の産卵池付近からの景観 写真拡大→クリック 長ぼそい形の卵嚢の集合体 写真2005.5.12下石黒 幼生-2 写真2019.9.12下石黒 |