ミヤマカラスアゲハ
暮らしとの関わり
 子どもの頃の記憶では、キアゲハは夏の明るい陽差しの中で飛んでいるのをよく目にしたが、カラスアゲハ類は林のまわりで飛んでいることが多かったように思う。
 花壇のボンザクラの花にキアゲハは盛んにやって来たがカラスアゲハはたまにしか見られなかった。
 石黒にはミヤマカラスアゲハの食樹であるキハダは多く見られるが、キアゲハに比べ個体数が少なかったように思う。
 しかし、最近では、カラスアゲハ類が増え、キアゲハは減っていると思われる・・・。
 記録的な猛暑が続く2010年7月31日、石黒の庭の水を撒くと1頭のミヤマカラスアゲハがやってきて盛んに給水していた。近づいて観察すると盛んに腹の先端から排水をしている。驚くほど盛んに排水を繰り返している(下写真)。この行動の目的は未だ明らかではないが水から無機塩類を摂取するため、あるいは体温調節のためなど諸説があるという。
→動画資料
※尾の先にご注目ください
 今日(2014.5.8)下石黒の民家の庭の芝桜に寄って来たミヤマカラスアゲハに出会った。形が小さく翅の紋様が派手であり、一瞬、別種と期待を持ったが春型のミヤマカラスアゲハであった。
ビデオ資料→クリック
 (写真上・右上2005.8.9下石黒 右下2005.8.20下石黒 )

     給水し排水するミヤマカラスアゲハ

写真2010.8.31下石黒

解 説
アゲハチョウ科
 日本全国に見られる大形チョウ。外形はカラスアゲハと似ているがはねの表面の青緑色の金属光沢が一層広く濃く後ばねの黄白帯が無いこと等で区別できる。
 発生はカラスアゲハよりやや早い時期から年2回。早いものは4月下旬に見られる。
 雌雄の区別は雌が後ばねに赤い斑紋が多いことで見分けることができる。幼虫の食樹は、カラスザンショウ、キハダなど
 名前の由来は「深山」つまり山地性を意味する。



ミヤマカラスアゲハの幼虫

写真2007.6.2上石黒