ダイミョウセセリ
暮らしとの関わり
 幼虫の餌であるヤマノイモトコロが多く自生している石黒では、ダイミョウセセリは普通に見られる。
 名前は堂々たるものであるが、印象は蛾に近いため注目しない人がほとんどである。
 しかし、よく観察すると勇ましい名前に恥じず闘争心旺盛で、近寄る大きな昆虫にも果敢にスクランブルをかける。林沿いの山道などでよく出会うチョウである。

写真上2005.8.26上石黒


  野葡萄の葉にとまっているダイミョウセセリ

写真上2009.6.3下石黒

解 説
セセリチョウ科
 沖縄県を除く全国に分布。
 雑木林の周りや日当たりのよい山道によく見られる。
 成虫は全体が黒色〜茶色。環境により左上写真のような茶色のものも見られる。関西型
〔右上〕や関東型など紋様も異なる。
 前ばねに大小8〜9個の白紋がある。開帳3.5〜4.2p。年2〜3回発生。
 成虫は4月中旬から10月中旬頃まで見られる。ウツギオカトラオなどの花に好んで集る。雌は幼虫の餌となるヤマノイモやオニドコロなどの葉裏に産卵する。卵に自分の体毛を塗りつけて覆い隠す習性がある。
 幼虫は食草の葉で作った巣の中でサナギで越冬する。
 名前の由来は前翅の紋様が大名の裃の紋に似ているという説と葉にとまった姿が大名行列でひれ伏した姿に似ていることによるという説がある。