マツモムシ
暮らしとの関わり
 マツモムシは、子どもの頃から親しんだ水生昆虫の一つである。石黒では「ウメ」と呼んだように記憶するが、その由来は虫の臭いがウメの実の香りに似ていたことによるものであろう。
 タネ〔家の脇の池〕のマツモムシを捉えて、地面に置くと巧みに反転して起きあがり10秒ほどで飛び立った。その飛翔力は半端ではなかった。
 体をよく観察してみて背側の方の形が蝉に似ていることは意外であった。
 つかむと刺すことがありかなりの痛みがあった。獲物に使う口吻(口先)で刺すのかどうか今も分からない。
 ミズスマシほどではなかったが、一種の匂いがしたように記憶するが定かではない。→子どもの暮らし

〔写真上2006.10.17.上石黒〕

          タネ(家の脇の池)

写真2006.6.20寄合
解 説
マツモムシ科
 北海道から九州にかけて分布。
 体長11〜14o。腹面に多量の空気を蓄えて仰向け状態で泳ぐ。後ろ足は長くオールのように動いて体を推進させる。水中に潜ることも出来る。
 普段は後ろ足を前方にのばしていて、スタンバイ状態で獲物の発見をまつ。
 獲物は水面に落ちた昆虫などが主で、水を伝わる振動により感知する。獲物に近づくと鋭い口吻で刺しそこから消化液を送り込み獲物の体を溶かして吸収する。オタマジャクシや小魚を襲うこともある。
 春先に水面に浮かんだ葉の裏に100個以上の卵を産み付ける。
 幼虫は芋虫のような形。成虫で越冬する。
 名前の由来は、マツモの生えているようなところによく見られることによる。