スッポンタケ
暮らしとの関わり
 スッポンタケは、子どもの頃から、時々、ブナ林の中の道端で見た記憶がある。
 その形は、タケリタケにも似ていて、石黒の方言で言えば「なまつけねぇ形」をしている。取って間近に見ているといやな匂いがすることに気がついた。
 その後、観察すると、傘にクロバエやギンバエが寄ってくることが分かった。目当ては、傘のヒダにたまる悪臭を放つ粘液であろう。
 食用になるなど、今の今まで夢にも思わなかった。
 観察してみると終わったものは、力なく折れてしまっている。(右下写真)
 今日(2010.10.15)石黒在住の大橋勝彦さんより電話をもらいスッポンタケの幼菌を見つけたということで出かけた。それはピンポン球より一回り大きい白い球に1m近い白い木綿糸のよな菌糸がついていた。
 二つに割ると中にはスッポンタケの傘の部分が飴色でゼラチン質でおおわれている。臭いをかぐと成菌ほど強くはないが異臭がある。
 また、2011.10.4に政栄さんと城山のツリバナを観察にでかける途中、雑木林の斜面でテニスボールよりやや小振りの幼菌にであった(下写真)。
〔写真2006.10.14 下石黒〕

           自然の発生の様子
         2011.10.4 落合城山上り口

         幼菌と長い菌糸
        2010.10.15下石黒 大橋勝彦

            幼菌の断面(縦・横)

        2011.10.4 落合城山上り口


解 説
スッポンタケ科
 夏から秋にかけて雑木林や竹林などの林床でしばしば見られる。
 幼菌は白色を帯びた卵形。熟すと傘と茎を伸ばし高さ10〜15pになる。
 傘(クレバ)は暗緑色で高さ3〜5p。表面には編み目状の隆起がある。編み目のくぼみには胞子を含む粘液がたまり悪臭を放つ。
 茎は白色で中空。
 茎は上部の粘液を洗い流して中華スープの材料に利用できるという。
 名前の由来は、茎が幼菌卵の頂端を破って伸びる時の形がカメが孵化する形に似ることに依る。



   幼菌の皮の下の様子

     菌糸の付け根

  2010.10.15下石黒 大橋勝彦

       形と大きさ
  2011.10.4 落合城山上り口

        老菌

2012.11.25 下石黒ツマキダ

   終わった後→老菌

2006.10.25 上石黒 嶺坂頂上