マイタケ | |
暮らしとの関わり キノコの撮影を始めてからマイタケの出会いを期待しながら石黒の広葉樹林を歩いたが、ついに出会うことができずにいた。70歳代半ばを過ぎてから、脚力の低下を自覚するようになり、半ばあきらめていた。 とこが、思いもかけず、マイタケ自生の貴重な情報を得て、今日午前に発生場所を説明してもらって出かけた。 石黒のの山の地形は、ほぼ頭に入っているので一時間ほどブナ林を歩いて目的地に到達でき、ついに待ちに待ったマイタケとの出会いが実現した。 コナラの巨木の根元を取り巻くように4箇所生えていた。全体に未だ若い菌で幼菌に近いものもあった。 筆者が小学生のころに石黒の生家の屋敷内にコナラの巨木があったが、その根元にマイタケが生えて1年おきくらいに発生したので祖母は大切にしていた。多い年にはミいっぱいになるほどの量が採れた。 ところが4回目の年に、ちょうど採取適期になったところで夜中に誰かに盗られてしまった。そして以後、再び生えることはなかった。祖母の悔しがりようは今も忘れないが、祖母の言によると、それきり生えなくなったのは、泥棒が引き抜くようにして根こそぎ採っていったことが原因であるとのことであった。祖母は根元を包丁で切り採っていたのだった。 写真を撮り終えて、マイタケの傍らで一休みしながら、なぜか今も忘れない60余年前のマイタケにまつわる思い出にひたった。 (撮影日2013.10.13下石黒) 写真-1 撮影日2013.10.13下石黒 写真-2 撮影日2013.10.13下石黒 |
解 説 サルノコシカケ科 日本全土に分布。広葉樹のミズナラ、クリ、ブナなどの根元に群生する。 形態は、幅2〜5pで扇形でへら形の傘が多数重なり合い押し合って径30p以上の塊状の株となる。縦断すると内部は根元の太い柄から幾度も枝分けして小枝の先に小型の傘をつける(上写真)。 このような形をマイタケ型と呼ぶ。傘の表面はねずみ色から黒茶褐色。下面の管孔面は白い(左下写真)。 食味は、野生品は栽培品に比べ数等優れているといわれる。肉は白く柔らかく歯切れのよい。 名前の由来は扇が重なるような形からという説と、一流食菌であることから出会うと喜びのあまり踊りだすことから、という説がある。 木の根元のようす 撮影日2013.10.13下石黒 写真-3 撮影日2013.10.13下石黒 |