チョウナ(手斧)    
 木材を削る工具。横斧とも呼ばれるという。チョウナは昔の大工仕事の最初の工程に使われる工具として,墨壺とともに最も重要な道具の一つであった。
 子どもの頃に、大工がチョウナを使う姿を見たことがあるが、その様子を明確に憶えてはいない。おそらく補助的な使用であったと思われる。
 山小屋造りをしていたころ、いたずらに自分もスギの丸太を削るときに使ってみたが鉈やマサカリなどと異なり熟練を要する道具であることを感得した。特に有効のな角度を保持して連続して刃を材に当てることが難しく、油断すると空振りとなって刃が自分の足のほうに来る危険があることが分かった。鍬のように真っ直ぐな柄ではなく大きくカーブした柄とやや斜めにつけられた刃が曲者なのであろう。
 茅葺き屋の上道具ケヤキブナはすべてチョウナによって表面を削られたものが多くみられる。

民具補説→チョウナ

      チョウナ削りの茅葺屋の梁

写真2015.11.12大野