タバコボン        
  石黒では「タボコボン」と呼び大抵の家にあった。盆と言っても写真のように箱型の入れ物に「火入れ」と「灰吹き」を据えたものである。
 灰吹きは竹製でキセルの雁首で縁を叩いて吸い殻を中に落とした。
 火入れの灰の中には火種を入れるようになっていたが、マッチが普及してからは、そのまま客の前に出した。
 主に、屋内に入らず、がん木で用を足す行商人などが使った。
 子どもの頃、お客が来ると「タボコボン持ってこい」と言いつけられてタバコボンをお客の前に運んだことを思い出す。

民具補説−タバコボン