センゴク ・ 米撰機    
 万石、千石、米撰機など正確な区別についてはよく分からない。実情は混同して使われてきたのではなかろうか。
 石黒では投入された穀類が転がり落ちる面が、万石、千石は四角の網が張ってあり、米撰機は針金状の金属線を細かく張ってあるもの(左上写真−線の間隔および傾斜角を変えることができた)と分けていたように思う。
 筆者が子どもの頃はこれをつま弾くとギターのような音がするので悪戯をして怒られた記憶がある。
 さて、「千石」と「万石」の違いは前者が一重の網である(上写真)のに対して後者は二重三重に網が重なっていた点であると思われる。したがって、三重の網を通す万石は、籾と、籾の一部が付着した玄米、玄米の三種に一回で分けることができる機能を持っていた。
 供出米は特に厳しい選別が必要であり万石や米撰機は、どうしても必要な農具の一つであった。
 千石は元禄〔1688〕のころに日本で発明された農機具であるといわれている。石黒では昭和20年代まで使われていた。
 米撰機は比較的新しく、石黒では昭和前期より昭和40年(1965)代まで使われた。
 千石や米撰機によってくず米として分けられた物は石臼でひいてチャノココナモチにして食べた。

参考資料→土ウスと千石


        千石網目