ロウソク立て | |
蝋燭立は大抵の家に1〜2台はあった。普段は仏壇の脇などに収納して置き、葬式や法事などでは、上の写真のように大きな和ロウソクを立てるのに使った。 また、座敷の高い場所に飾ってある神棚にロウソクを上げるときに、神棚の下に蝋燭立を置いてロウソクを灯してお参りをした。 筆者が子どもの頃、座敷に胞姫神社のお札が神棚に祀ってあり、よく出産前の村人がお参りに来た。蝋燭立に灯明をあげて身ごもった女性が一心に拝んでいる姿を憶えている。 また、電灯のない時代には石油ランプとともに座敷の照明具としての役目を果たした。とくに、冠婚葬祭の折には各部屋の照明には大切な道具であった。 かつまた、石黒は冬季に雪害によるしばしば停電が発生したが、その時にはロウソク立てが使用された。停電中、夕餉の車座の真ん中にロウソク立てを置いてその灯りで食べていると、にわかに電灯がともることがあった。その時の目が眩むほどの明るさと(30ワットの電球であったが)、電灯の有り難さが身にしみたことを今でも忘れられない。 資料→ロウソク立て |