ムシロ  
 昔は、ムシロは座敷の敷物をはじめ様々な用途があった。大抵の家では年に一度、大晦日に座敷のムシロを新しいものに入れ替えた。
 そのため、毎年、どこの家でもムシロ織りをした。共有の織機が村にあり順番に使用した。1枚を織るに藁16把ほどを要した。ほどよく叩いた藁を使い1日に3枚は織ることが出来たという。織り上げると両脇のヒゲは包丁で切リ取った。
 専門的に織る人は一冬に300枚以上織ったものだという。農協が1束(10枚)として買い上げたこともあった。
 ムシロは敷物の他に籾のタテや籾干し、ゼンマイ干しの敷物、また便所の戸がわりに使ったり、土留めに使ったりと用途がおおく重宝なものであった。


参照→四季の農作業

資料→むしろ織りの思いで