モッコ  
モッコの縁のつくり
写真提供 田辺雄司
 昔は田堀りや道普請などで多く用いられた運搬用具。
 藁縄や時には藤ヅルなどで編んだ。両脇の紐にモッコ棒を通して2人で担いで運んだ。
 モッコを広げて置いて土を入れ両方の綱にモッコ棒を通し、後ろには屈強の人がつき後の者がモッコのを持ち上げて二人で担ぐのであった。モッコ棒には軽くて丈夫なキリ材が使われた。
 モッコはよく叩いた藁を使ってヨリの強い左縄〔右下写真〕を手でなって編んだという。左縄はほぐれにくく丈夫であったからだという。
 名前は持籠(もちこ)から変化したものという。
 上写真のように縄の網目はそれほど細かくはないが、土はもれることはなかったという。もちろん砂地の土はもれ落ちてしまうであろうが石黒の土はどちらかというと粘りのある土であるのでモッコで運ぶには適していたという。
 先祖たちが、このモッコを使って心血を注いで作った石黒の田は、過疎化による高齢化が進み今ではその多くが原野に還りつつある。



参照→四季の農作業
補説→モッコの作り方と寸法




    撚りのの強い左縄