味噌煮用柄杓  
 昭和30年(1955)代初めにはどこの家でも自家用の味噌を作った。平均的な家庭でおよそ大豆2俵を使った。
 下石黒では味噌煮釜を所有する家があり、それを村中に輪番に貸し出し味噌煮をした。出稼ぎ等で男手のない家には釜の持ち主が出向いて作業をしてくれた。
 上の柄杓は煮立った時に吹きこぼれないようにかき回すための柄杓である。味噌豆煮では焦げ付かないようにほどよい炎を維持するように心がけたが、どうしても吹きこぼれたがるのでこの柄杓は大事な用具であった。右の柄杓は煮た豆をすくうために使ったものであろう。下石黒では木製の桶状の柄杓が使われた。
 1俵の豆を煮て味噌玉にするには丸1日を要したものだという。

参照→四季の農作業
資料→味噌煮の思いで
資料→味噌煮の思いで2
資料→味噌煮の思いで3