ドウスの回し手 
 ドウスを回すときに使った取っ手である。横棒が長いのは二人で回すときに便利であることからの工夫であろう。(左は金属製の回し手、右は木製)
 使い方は、T字型の上の写真の長い回し手の両端を天井から縄でつるして2人で取っ手を押し引きしてクランプ式に上臼を回した。〔筆者は子どもの頃に石臼挽きを手伝わされたが二人で行うときには一人が押し、もう一人は引く運動に近い作業であったように記憶する〕
 石黒では、土臼は昭和10年代末に籾すり機が普及するまで使われた。
 筆者はこの作業を見た記憶はないが、土臼の残骸や取っ手は鞘蔵〔土蔵〕の入り口に放置されてあったことを憶えている。つまり、筆者が物心のつく昭和20年代にはすでに石黒ではもみすり機が普及していた〔共同使用〕ということであろう。