証 文 の 御 事                     田辺重順家文書  用語手引き 
 






〇享保5年は中之坪用水(宮川堰)が完成した年。






鯖石組 →門出、岡野町、山中村などが属した組
(石黒は上条組)



江筋




堰口



〇新口→新しい堰口



〇享保5年は宮川四郎兵によって石
黒地内から門出までの用水路が完成した年。



宮川四郎兵衛

 
 

   証文の御事
  鯖石組門出村新田江筋堰口の儀 、石黒村の内
 の地境より引き取り申すに付き、石墨(※黒の誤記)村田地方江筋
 新江の下に罷り成候、之に依り川上へ江口掛かり相渡し
 候得共、後年に至り自然新江堰口上へ上り申し候はば
 またまた、その上へ江口相立相渡し登り申すべく、尤もに存じ候、若し
 左様の義これ有らば何時にても石墨(※黒の誤記)村江
 筋は川上へ上り掛り相渡し申すべく候、後日の為
 一札相渡し申す所よってくだんの如し
 
 享保五年       門出村
    子十月          宮川四郎兵衛
            門出村
                 庄屋 六兵衛
     石墨(※黒の誤記)村 庄屋 喜太夫殿

          

 
 
意   訳 
 鯖石組門出村の新田用水(宮川新田用水)については、石黒村の内の地境から引いておりますので、石黒村の田地の用水路は新用水路取水口の下流にあることになります。
 このため川上へ石黒の取水口を移動しましたが、後年に至って自然(川底が掘り下がり)新用水路の堰口も上流に移動せざるを得ません。その時にはこれまたその上流に石黒の取水口を設置することは当然な事であります。
 もし、不都合のことがありましたら何時でも石黒村用
水路は川上へ移動設置いたします。後々のため契約
の証文は上記のとおりであります。
享保五年 子十月
         門出村    宮川四郎兵衛
         門出村 庄屋 六兵衛
      石黒村庄屋 喜太夫殿


宮川堰は、平成16年(2004)の中越地震で石黒寄合の堰からの取水装置(水道橋)壊れてからは、途中門出地内で電気ポンプアップによる取水に切り替えられている。
 読み下し・用語の手引・意訳文責  大橋寿一郎