ヤマウコギ | |||||||||
暮らしとの関わり 石黒にはヤマウコギは生えていないものと思っていたが、数日前(2009.5.19)落合地内で出会った。村の近くであったので植えたものが野生化したものであるかも知れない。 「柏崎・刈羽の樹木」によれば、方言名は「とりとまらず」と記されている。若葉をおひたしや和え物にしたり、ご飯に炊き込みウコギご飯として食べる地方が多いということなので採取していてきりがないことを現した言葉であろうか。それとも鋭いトゲがあるために野鳥がとまらないという意味であろうか。 いずれにしても、石黒でヤマウコギに初めて出会ったことはうれしいことである。 ヤマウコギと最初にであったのは、1984年頃、に南鯖石小学校の野外学習施設のあった南星が丘への坂道沿いであった。石黒では見たことのない植物であったので図鑑で調べてその名前を知ったのであった。 その後は、出会った回数は4〜5度ほどである。石黒や柏崎市街地周辺の山では、どちらかと言えば珍しい樹木に入るのではないかと思う。 ちなみに、日本固有種と記載される図鑑もあるが、牧野図鑑には「中国より薬用として移入されたものであろう」とある。 〔写真2009.5.19 落合〕 若葉のころ 写真2015.4.19野田 ヤマウコギの葉と花のつきかた 写真2009.5.19 落合 果実期のヤマウコギ 写真2010.7.9 落合
写真2015.2.6矢田 |
解 説 ウコギ科 北海道から本州に分布。雌雄異株の落葉低木。高さ2〜4m。 枝はよく伸びて垂れ下がり、地面についたところから新苗を出すこともあると言われる。枝の葉の付け根の下にトゲがある。(上写真) 葉は5小葉の手の平形で互生する。葉柄は3〜7pと長い。小葉の縁には鋸歯がある。(下写真) 花期は5〜6月で短枝の葉の2〜3pの花柄をのばして淡緑色の花を多数つける。花弁は5個、雄花ではオシベは5個、雌花では花柱2個。花序は柄をいれても葉柄より短い(左写真)。 果実は径5〜6oのやや扁形の球形で黒紫色に熟す(左下写真)。 新芽は食用となり、根は薬草として利用されてる。 牧野植物図鑑にはウコギは日本原産のものではなく中国より薬用植物として移入されたものあろうと記されている。 名前の由来はウコギは五加木の意味で「五加」の支那発音「ウコ」と日本読みの「木」を合わせたものとされる。 葉の大きさと表裏 写真2013.7.16落合 幹 写真2009.5.19 落合 小葉の形 写真2009.5.19 落合 果実と種子 写真2010.7.9 落合 冬芽と葉痕 写真2015.2.6矢田 |