ミヤマカワラハンノキ
暮らしとの関わり
 ミヤマカワラハンノキは日本海側の多雪地帯に多く見られる植物といわれるだけに石黒には多い。
 昔から燃料の芝木として春に切り出された。また、川の堰、方言で「シガラカキ」と呼ぶ工法の材料としても多く利用された。シガラカキとは杭を並べて打ち込み、その杭の前後を通して編むように横材の低木を入れて作る土留めである。主に農業用水の取り口で水位を上げるために作られた。
 今日〔2005〕も石黒では土砂崩れにも利用されている。その横材の低木にミヤマカワラハンノキは、ねばりがあるため適していたという。

(上写真2005.7.25上石黒 写真右上2005.5.9板畑 右中・右下2005.11.6寄合 )


            早春の様子

写真 2019.3.26 板畑 嶽


写真 2005.5.8 板畑

           川岸の幼木

撮影日2010.6.25寄合

       高地の崩壊地に生えた実生
   撮影日 2007.9.4 地蔵峠

      川沿いのミヤマカワラハンノキ

撮影日2010.5.16松沢川

解 説
カバノキ科
 雌雄同株落葉低木
 高さ3〜5m。葉は柄があり互生。長さ5〜15p。花の芽は秋にできて冬を越し(上写真)春に開く。
 葉は円形に近い形で長さ5〜12p,幅4〜11p。先は丸く浅い凹んだものも見られる。縁には波状の鋸歯がある。
 雄花と雌花があり、雌花はハンノキ類の中では最も長く2〜3pもある。雄花は枝先に垂れ下がって咲き長さ10〜18p。
 果穂は球状で長さ2〜3p。
 名前の由来は深山の河原に自生するハンノキの意味


       冬の花穂

写真 2009.1.12 大野

    秋の花穂の様子

写真 2006.1.6 寄合

       葉の形

撮影日2005.7.25下石黒

         樹皮

撮影日2005.10.6下石黒