マルバシャリンバイ
暮らしとの関わり
 1981年刊の「柏崎の植物」には、「栽植したものを除く、海岸のみに見られる種」として3番目にマルバシャリンバイが挙げられている。当時は多く自生していたものと想われる。
 しかし、現在では筆者が出会うことは稀であり、どうやら植栽されたらしいものばかりである。
 上の写真のマルバシャリンバイは、海岸の防風林の縁で撮った。数本が並んで生えている様子から植えたものであることはほぼ間違いない。
 今後、笠島・米山方面へ範囲を広げて調べてみたい。
 花の時期には出会ったことはないので、来春はぜひ花を撮影したいと思っている。
 昨日(2012.5.31)に中央海岸で待望の開花したマルバシャリンバイに出会った。梅の花を連想させる美しい花である。
 今日(2012.10.2)、市街地周辺の高速道路の土手に生えているマルバシャリンバイと思われる個体とであった。海岸の個体に比べ若干葉が長細いように思われたが他には相違点は見られなかった。マルバシャリンバイの母種シャリンバイであろうか。
 今日(2015.11.3)、散歩の途中で下藤井の高速道の矩面に生えているシャリンバイの果実を観察した。それが下の写真であるが、どうやら海岸のマルバシャリンバイとは異なるようだ。葉の形も楕円形である。変種と見てよいもののようにも思われるが、詳しい方の指導をお願いしたい。
(下写真)


〔写真2012.5.31 柏崎海岸〕

   
               花期へ

写真2013.6.1 柏崎海岸

     花期 (上と同一の木、今年は開花が早い)
写真2014.6.2 柏崎海岸

                つぼみ〜開花へ
写真2012.5.31 柏崎海岸

              青い実の頃
写真2012.10.2 柏崎海岸

       幹は直立せず分岐し横に広がる樹形
写真2012.9.30 柏崎海岸

      下藤井地内高速道路土手の個体

写真2012.10.2 下藤井 ※葉の先がやや尖る

           晩秋の頃の実

写真2012.11.22 松波海岸

    マルバシャリンバイの果実(海岸)

撮影2012.11.28 採取地荒浜海岸防砂林

   下藤井高速道路矩の個体の種子

写真2015.11.3下藤井

解 説
バラ科
 本州中部(宮城・山形)以西の海岸に生える常緑性の小低木。高さは1m内外。シャリンバイの変種
 樹皮は大島紬の染料として知られている。
 葉は枝先に密生して互生し、一見して輪生のように見える。葉は卵形または広卵形で肉厚で光沢がある。縁は多少裏面に反り返る。葉裏には細かい網目の葉脈が見られる(下写真)
 花期は5月。枝の先端に円錐花序をつけてナシの花に似た白色の5弁花を開く。
 花の径は1〜T.5cmで花弁は円形で縁に波状のシワがある。
 ガク筒は漏斗状で花柄とともに綿毛があり子房と癒着するる。
雄しべは20本で赤紫色。雌しべの花柱は2個。
 果実は球形で直径熟すと黒色となり径1cmほどで多少白い粉をかぶる(下写真)。ナシの実のように先端にガク片の落ちた跡が見られる。
 名前の由来は葉が車輪のように丸くつき(上写真)、花が梅に似ることによる



        新芽
写真2013.5.16 松波海岸

         花
写真2013.6.1 柏崎海岸

     未熟の果実
写真2012.10.2 松波海岸

      熟した果実

写真2012.11.22 松波海岸

   葉裏の網目の葉脈
写真2012.9.30 柏崎海岸

         樹皮

写真2012.9.30 柏崎海岸

 マルバシャリンバイの生垣

写真2014.2.12日吉町

  マルバシャリンバイ

写真2015.11.3上藤井