クマザサ
暮らしとの関わり
 石黒では、栽培されたものにも出会ったことはない。高柳町では、昨年(2013.4.14)の早春、江戸時代山中村庄屋の屋敷を訪れたときに家の周りに植えられたものに出会った。
 また、昨日(2014.1.7)は、雪のない正月の快晴に恵まれ、畔屋峠を越えて北条をまわり、植物の撮影をして来た。
 その折に山澗集落で道路脇の斜面10mほど一面に繁茂したクマザサにであった(上写真)。
 石黒では、チマキザサが寒さのためか縁が白くなったものに、しばしば出会うがこのようにすっきりとした縁取りではなく汚らしいという感じだ。→参考写真 だが、クマザサは緑と白のコントラストが緑の少ない冬季には美しい。
 先日(2015.2.7)小春日和に恵まれ樹木の冬芽撮影のため中田から吉井の集落を歩いた。途中、中田集落で庭の縁に植栽されたクマザサに出会った。市街地で植栽されたものに出会ったのは初めてである。

写真2014.1.7 山澗


        山中村旧庄屋屋敷のクマザサ

写真2013.4.14山中 江戸時代の庄屋石塚家

              葉のつき方写真2013.4.14山中

               冬の様子

写真2015.2.7中田

               群生

写真2014.1.7 山澗


解 説
イネ科
 九州地方には野生がみられるが普通は栽培された常緑植物。
 地下茎は地中を横に這い先は地上に直立して稈(かん)となる。
 稈は細く中空の円筒形で長さは40〜100p。上部はまばらに分枝し各節から枝を出す。
 葉は枝先に4〜7枚ほど掌状につき幅広な長楕円形で、長さ13〜24p、幅4〜7p。先端は急に細くなり尖る。基部は截状円形、上部はでは鋭形で短い柄につながる(下写真)
 表面は滑らかで深緑色で裏面は白色を帯びて毛はない。冬は葉の縁が白色になり美しい。
 まれに開花し花柄は細長く稈の下部から直立して葉より高くなり頭頂に円錐花穂がつきまばらに出た分枝に小穂をつける。
 穂状の小穂は数個の花からなり6mmのながさで紫を帯びたみどりいろ緑色。包頴は2片で小形、護頴は大きく先は尖り、内頴はそれより短い。
 鱗被花柱はおのおの3個、雄しべは6個。頴果は長楕円形。
 名前の由来は隈笹で冬葉の縁が白色に隈どられていることによる。



     葉の基部の形

写真2014.1.7山澗

      葉の表面

      葉の裏面

写真2015.2.7中田