クコ
暮らしとの関わり
 石黒では出会ったことはない。おそらく自生していないのであろう。
 市街地周辺でも屋敷内に植栽されたものは見かけるが、このようにほぼ野生状態のもには今まで出会ったことはなかった。
 しかし、上の写真の個体も、もとは屋敷内に植栽されたものが家が取り壊され空き地となり、毎年刈り払いが行われ高木も育たないなど環境に恵まれ匍匐茎をのばして増えているのであろう。写真の個体の様子を観察するかぎりでは性質は強靭な植物のように思われる。
 また、おびただしい虫えいが見られる葉が多かったたことも印象に残った。
 いずれにしても、今後も観察をつづけ、熟した果実と種子まで見とどけたい。液果の味も楽しみだ。
 今日(2014.11.2)液果を食べてみた。上品でほどよい甘味であるが、微かな苦味が残った。
 ちなみに、クコは生薬として、果実、根皮、葉ともに様々な効能が伝えられている。
 昨日(2015.4.4)に中浜の自生地に行って見るとすでに若葉が出そろっていた。とても芽吹きの早い樹木であることを知った。(下写真)

写真2014.8.27中浜


            早い芽吹き

写真2015.4.4中浜

        葉のつき方とトゲ状の小枝
写真2014.8.27中浜

     花のつきかたと開花直前のようす

写真2014.8.27中浜

            花のつくり

写真2014.8.27中浜

                果実期
写真2014.8.27中浜


解 説
ナス科
 北海道から九州の海岸や川の土手、田のまわりなどに多くみられる小形の落葉低木
 高さ1〜2m。茎葉は根元から束生し、枝は直立せずに弓状に曲がって垂れ下がる。しばしば、葉のつけねに枝の変化したトゲがある。枝分かれはすくない。
 葉は、茎に互生してつき、短枝に5〜6枚集まってつき形は楕円形から長楕円披針形で長さ2〜4p、幅1〜2p。全縁で短い柄があり質は柔らかく無毛。 葉には何種類かのフシダニが寄生して虫えいがつきやすい。
 花期は、8〜9月で葉の脇から細い柄を出し、直径1p程の紫色の花をつける。
 ガクは短い筒形で先は浅く5裂する。花冠は下部が鐘形で上部は5裂し平らに開く。5個の雄しべ1個の雌しべをもつ。
 果実は液果で楕円形となり熟すと紅色となり表面は滑らかである。
 果実、葉、根皮などは、生薬やクコ酒として用いられる。
 名前の由来は漢名「枸杞」による。



      茎の様子

写真2014.8.27中浜

    つぼみから花へ
写真2014.8.27中浜

          種子
写真2014.8.27中浜

  虫えい〔クコハフクレフシ〕

写真2014.8.27中浜