キンシバイ(タイリンキンシバイ-栽培種)
暮らしとの関わり
 写真のキンシバイは、植えた憶えはないのに我が家の裏庭の隅に数十年ほど前から生え続けている。
 その存在を改めて知ったのは、3年前のことだ。裏の道路から我が家を見ると塀の隙間から隣接している建材会社の駐車場に枝を伸ばして黄色の花をたわわに付けた植物が見えた。帰宅して確かめると黄色い見事な花であるが地境の側溝を大きく越えて隣地に枝を伸ばしている。これはまずいと思ったが花の見事さに圧倒されて、花期を過ぎてから切り取ることにした。結局、剪定は12月の冬囲い時に行ない思い切って基部に近い所に鋏を入れた。当分は花も付けまいと思ったが、翌春には新枝を出して十数個の花をつけた。
 そして、3年目の今年は、また、地境ギリギリの所まで枝を伸ばしたわわに花をつけている
(下写真)。なかなか逞しいものだ。
 家内の話では、どうやら30年ほど前のエンマ市で筆者が買って来て植えたとのことだが自分には記憶の片りんもない。3年前に調べた名前も思いだせない。再度WEB上で調べ先刻ようやく「キンシバイ」という名前にたどりついた。
 この分だと、この個体は、この先自分より長く我が家で逞しく生き続けることであろう。つれない植え主であるが、せめてもの罪滅ぼしにと掲載した次第である。
 ちなみに、花冠が大きいこと、花冠が平開すること、花弁に浅い切れ込みがある
(右写真)こと等から「タイリンキンシバイ」という栽培種であろう。

 写真 2020.6.17 松美町


         今年(2020)の様子

写真2020.6.20松美町

             花柱と雄しべ
 写真2020.6.19松美町


解 説
オトギリソウ科
 日本には江戸時代に渡来し古くから観賞植物として栽培されて来た。半落葉低木
 茎は株立ちであり枝分かれして先端は垂れ下がる。
 葉は対生し長楕円で葉柄はない。葉裏は白色を帯び腺点がある。長さ5~6㎝。幅2~2.5cm。
 花期は6~7月。枝先に黄色の花をつける。花弁は5個あり花の直径は4~6cm。(タイリンキンシバイ)花弁はやや巴状に重なり合う。花弁には浅い切れ込みがある(タイリンキンシバイ)下写真。
雄しべは多数でよく見ると5個のブロックに分かれている。※1ブロックの雄しべの数は筆者が数えた限りでは57~61個の範囲であった。
子房には5本の花柱がある(左下写真)。
 果実はさく果で卵形、宿存ガクがあり5個な割れる。種子は長さ約0.8mmの円柱形。
 名前の由来は、花の形が梅の花に似ていて色が黄色であることによる。



  葉のつき方と表裏の様子
写真2020.6.19松美町

      ガクの様子
写真2020.6.20松美町

   花弁の浅い切れ込み
 写真2020.6.20松美町