ハナイカダ
暮らしとの関わり
 石黒では、林の中に普通に見られるが、どの林床にでもあるという樹木ではない。個体数も多くはない。
 葉の真ん中に花や果実がつくことが特徴であるが、緑色の花であるため余り目立たない。しかし秋になって果実が黒くなるとよく目立つ。石黒では、果実は1個のものが圧倒的に多い。2個はしばしば見かけるが3個のものは非常に稀である。
 枝が緑色であることもこの木の特徴である。
 多くの草木の実を食べた終戦前後の子どもは、その珍しい実のなり方に興味は示したが実は食べなかった。食べられることを知らなかったのである。甘くて美味しいそうであるが、その奇態なつき方が不気味であったせいかもしれない。そのくせ、ミズナラの虫えいを食べたのであるが・・・・。
 若い葉も食用になるといわれるが石黒では食べたという話は伝わっていない。
 とくに方言の呼び名はないようだ。

写真上2005.9.29 写真右上2005.5.21 右下2005.8.10下石黒


               芽吹き前

写真2008.4.28日上石黒

             若葉と花芽

写真2009.4.18下石黒

             花期-つぼみ期

写真2006.5.16下石黒
               開花期

写真2008.5.27下石黒

写真2014.5.14八石山

           青実のハナイカダ

写真2008.6.18下石黒

               果実期

写真2008.6.8下石黒  政栄 

              果実成熟期
写真2007.9.26下石黒

解 説
ミズキ科
 日本全土の山地の木陰に多く自生する落葉低木雌雄異株
 高さ1〜2mで枝は緑色(下写真)
 幹はしばしば束生し分枝し枝は緑色(下写真)
 葉は、柄があり互生、卵形で長さ4〜10p先は細くとがり先端はヒゲのようになっている(下写真)。縁には細かい鋸歯がある。
 花は4〜5oで葉の中央の主脈の上に雄花は数個〔下写真・上写真〕つき、花弁は4個で雄しべは4個。、雌花は1〜3個つく。〔下写真〕
 何れもよく観察すると花や果実のついているところ迄の主脈は太い。〔左下・下写真〕このことから花から下の主脈は茎と合体したものであることが分かる
果実は、1〜4個つき7〜9o。
 名前の由来は言うまでもないだろう。



      互生する葉

写真2008.5.27下石黒

     細かい鋸歯
写真2009.4.18下石黒

       雄花

写真2014.5.14八石山
写真2017.5.23嶽

        雌花

写真2005.5.18下石黒

   3個のついた果実

写真2004.6.18下石黒

    完熟した果実

写真2005.10.12下石黒

  茎と合体した太い主脈

写真2005.8.10下石黒

       緑色の枝

写真2008.4.23下石黒

写真2009.4.19下石黒 小雪の春