ハナヒリノキ | |
暮らしとの関わり 石黒では「ゴウジ〔うじ〕ゴロシ」と呼んだ。〔※草本のトウキも同じ呼び名であった〕ハナヒリノキは、石黒では、まれにしか見られない木である。 昔はハナヒリノキの葉を生のまま切り刻んだものや干して粉にしたものを便糟へ投げ込んでウジ殺しに使った。おなじく便所に下げて消臭用にもちいたトウキのような匂いはなかったが効果はあったと伝えられる。 ギリシャの哲学者クセノフォンの書いた「アナバシス」という軍記の中に兵士たちがこのハナヒリノキの花の蜂蜜による中毒を起こし一昼夜苦しんだ記録があるという。 また、1999年には新潟県でハナヒリノキの中毒による死亡者が出た記録があると聞く。 (写真上2005.7.8板畑 右下2007.7.19板畑 右上コピー画像) 花期のハナヒリノキ 写真2007.5.30板畑 葉の形とつきかた 写真2010.6.6上石黒 果実期 写真2012.10.16上石黒
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解 説 ツツジ科 北海道、近畿以北の山地に生える落葉低木。 茎は多く枝分かれして高さ30〜100p。 葉は互生しほとんど柄がなく楕円形で先がとがる(左下写真)。ふちに毛状の鋸歯がある。(下写真)長さ2〜8p、幅1〜5p。 花期は7〜8月。長さ5〜15pの細長い花柄に多数の花を下向きにつける。(写真上)花冠はつぼ状で縁が5裂し、淡緑色で雄しべは10個、雌しべは1個。 果実(さく果)は扁球形で直径oで5裂する。有毒植物。 昔は葉を粉にしてウジを殺すのに用いたという。 名前の由来は葉の粉末が鼻にはいると、くしゃみが出るところからこの名が付いたという。 葉lの縁の毛状のきょ歯 撮影2005.7.8板畑 葉の裏と表 撮影2007.10.7寄合 つぼみ拡大 撮影2007.5.30板畑 果実の拡大 撮影2007.10.19板畑 |