ミソサザイ
暮らしとの関わり
 石黒では「ミソキッチョ」と呼んだ。「キッチョ」はその鳴き声からつけられたものであろう。
 夏は藪の中にいて、声は聞こえても姿をなかなか見ることの出来ない鳥であるが、冬は家の周りで良く見かける。
 子どもの頃、土蔵脇の味噌蔵の近くで良く見かけた記憶がある。舌打ちするような独特の地鳴き声はよく知られている。
 色は地味であるが、ずんぐりして姿も鳴き声も可愛い鳥で、昔から親しみを持たれてきた鳥の一つである。
 西洋では古くからミソサザイは「小鳥の王」「聖鳥」と呼ばれているといわれる。

〔写真撮影左上・右上 道郎〕


解 説
ミソサザイ科
 北海道から屋久島まで棲息している。日本ではキクイタダキの次に小さな鳥である。夏は山地の沢沿いの藪の中などにすみ冬には平地ですごし人家の周りでも見られる。
 全長約11p。体形はカワガラスに似ている。囀りは「ピィツイッビルルル、ピーチィピルピル」と聞こえる。小さな体のわりに声は大きい。
 春に木の根本などにコケ類を使った巣を作り1腹4〜6個の卵を産む。餌は昆虫やクモ。