コゲラ
暮らしとの関わり
 石黒ではアオゲラ、アカゲラを「ケラツツキ」と呼んだ。方言由来はケラ(虫)突キの意味であろう。
 コゲラはあまり目につく鳥でなかった。繁殖期以外はシュジュウカラ、コガラなどのカラ類と混じって生活するためであろう。
 しかし、ブナ林などに入ると時には小さな可愛らしいコゲラをときどき目にする。名前の由来は「ケラ」は「キツツキ」の意味でその小さなものという意味。
 ところで、石黒にも普通に見られるコゲラを今まで撮影するチャンスに恵まれず10年以上が過ぎた。
 筆者も、喜寿を迎え足腰が弱りフィールドワークも後何年できるか危ぶまれる折から道郎様からお借りした画像(今までの掲載画像)を返すことは出来ないか思っていた。
 ところが、ついに思いがけず撮影の機会に恵まれた。大寒の最中の今日(2015.1.26)、小春日和に恵まれ、樹木の冬芽撮影かたがた、北条の菩提寺の改築工事の見学に出かけた。10時に家を出たが、昼過ぎには気温は℃14迄あがり、自転車で風をきっても心地よいくらいであった。途中、藤井の神社の境内からキツツキのコツコツという音が聞こえたので近づくと、コゲラが一羽見えた。このチャンスを逃すまいと距離は30mほどだがあえて近づかずに慎重を期して撮った。ややピントは甘いが数枚撮ることができた。
 近くで、バラ園の手入れをされていた方の話では、近年、コゲラが家の壁板に穴をいくつもあけて困っているとのことであった。

〔写真2015.1.26 下藤井〕


        近くにあった巣穴らしい木の穴
写真2015.1.26 下藤井
解 説
キツツキ科
 北方四島から沖縄まですむ留鳥。低地から亜高山帯までの森林に生息する。寒冷地では冬季は暖地に移動する。
 全長15pで日本では最も小型のキツツキ。オスは後頭部の両側に数本の赤い羽色があるがめだたない〔右上写真〕
 木の幹を嘴でコツコツとたたきながら樹皮の下の昆虫類や蜘蛛類を捕食する。
 4〜5月に枯木に巣穴を掘り1腹5個の卵を産む。秋から冬は平地に移動しカラ類の群れに1〜2羽で入っていることが多い。
 鳴き声は「ギィー,ギィー,キキキ」と聞こえる。餌は虫を好むが木の種実も食べる。



 低い柿木に移動したところ

写真2015.1.26藤井

木の中の昆虫を見つけたのか
写真2015.1.26藤井