ジュズダマ(ズズゴ)
暮らしとのかかわり
 
筆者が子どもの頃には女の子のいる家では、ズズゴを畑の端や庭先に植えていた。
 筆者の家でも屋敷内に植えてあった。ズズゴは、トウモロコシの半分ほどの高さで花のつき方や実のなり方が変わっていたという印象が今もある。
 姉にとっては親しみのある植物であったであろうが自分にとっては、役立たずの植物に思われた。花期のころの見た目も茎の中途で折り取られたような冴えない姿が記憶にあるが、今、改めて見てもそう思う。
 姉は、熟したズズゴの実を使ってナンゴ(お手玉)を作っていたことを憶えていた。また、糸を通して数珠のようにして、遊んでいた事もあった。ズズゴは、姉が成人してからも、数年植えられていた。祖母が隣近所の女の子にあげていたこがあった。
 いま、このページを作るために牧野植物図鑑で調べているが、自分の苦手なイネ科の植物とはいえ、なかなか複雑で興味深い特徴を持った植物のようだ。
 故郷石黒に在住の同級生(80歳)が、今も畑のはじっこに栽培しているので種子をもらい、今年は詳しく観察したい。

写真2007.10.1 寄合

解 説
イネ科
 水辺を好む大型の多年草
 茎は叢生して高さ1〜1.5m位になり直立して枝分かれする。
 葉は互生しトウモロコシの葉に似た披針形で長く基部は鞘となり茎を包む。茎の先の方にも葉をつける。
 初秋に葉のつけ根から長さ不揃いの柄を持った穂を1〜6個ほど伸ばす。雌性小穂はその基部に付き葉鞘の変化した硬い苞に包まれ内部に3個の花があるがただ1花だけが正形を保ち、子房上には2花柱があって苞外に出る。  雄性花穂は硬いを突き破ってその上に伸び出し長さ3pくらいあり小軸の各節に1〜3個の小穂をつけ2花からなその1個は無柄で花中に雄しべが3個ある。
 果実が成熟するとこの苞は骨質となり、緑色から次第に黒色になり、最後は灰白色となり非常に硬く卵状球形となり先端は短い嘴となり長さ9mmくらいとなる。中には1個の頴果がある。熟した実は自然に落下する。
 名前の由来は数珠玉の意味で、ズズゴは数珠子の意味。