ジャコウソウ | |
暮らしとの関わり ジャコウソウは、石黒では、稀に見かける植物の一つである。石黒川上流や支流の沢沿いで何度か見たので谷間の湿った場所を好む植物であろうか。 花は周囲の植物が大きく成長した8月ころに咲くため、草藪の中にあって、注意しないと目にとまらないことが多い。 一見したところ樹木のような印象をうける野草である。 花には、気品が感じられるがとくに香りはしない。30年ほど前、香りを試すために庭に移植して試したが花は無臭であった。だが、根と茎に香りがあるとの解説もある。今度、試してみたい。 写真上・右上2005.9.16上石黒 右下2004.9.14下石黒 花期 写真2006.9.4上石黒 花のつくり 写真2007.9.2寄合 2個だけの長い雌しべ 写真2007.9.2寄合 分 果 1 写真2009.10.14下石黒 分 果 2 写真2009.10.14下石黒 分果3 写真2011.11.4上石黒 |
解 説 シソ科 北海道から九州の湿気のある林や谷間などに生える多年草。 茎は四角形で、やや木質の根元から数本生える。高さ60〜100p。あまり枝分れせずに多く斜め傾く。茎には開出毛がまばらに生える。 葉は対生し長さ5〜12oの短い柄がある〔下写真〕。葉の長さは10〜20p、幅3〜10pで卵形で先は尖り縁には粗い鋸歯がある〔左上写真〕。上面には斜めの毛があり〔下写真〕下面の脈状には開出毛がある(下写真)。 花期は8〜9月。葉のつけ根に1〜3個の唇形の花をつける。花には短い柄があって淡紅紫色で長さ4〜5p。ガクは鐘形で長さ1〜1.5p、浅く5裂ける〔左写真〕。 花冠は長さ4〜4.5p、筒部が長く上唇は短く、下唇は3裂し、中央裂片は大きい〔左写真〕。雄しべ4本のうち2本は長い〔左写真〕。 果実は長さ15〜18oの卵球形で〔上写真〕4個の分果からなり、分果は永続性のガクに包まれて楕円形で無毛、長さ7〜8o〔左写真〕。 名前の由来は「麝香草」の意味で茎葉をゆすると好い香りがするというので名付けられたというが実際にはほとんど香りはない。 ジャコウソウ葉〔裏〕 写真2007.9.2寄合 葉表面伏せ毛 写真2009.10.14下石黒 四角の茎と開出毛 写真2007.9.2寄合 種子散布期 写真2011.11.4上石黒 |