石黒の動植物補記 タデ味噌 暑い夏の時季になると決まったように祖母は畑の周りに生えているタデ〔ヤナギタデ〕の葉を採ってきてタデ味噌を作っていました。 タデの葉を細かく刻んで小さなナベに水を少し入れ煮て、柔らかくなった頃に味噌をいれ、さらにネギを入れて香りを佳くするように工夫していたようです。 大人はそれを御飯の上にのせて美味しそうに食べていました。
昔から、暑い夏に辛いものを食べると暑さ負けをしないと言われていました。 タデ味噌の他にも赤い南蛮辛子〔トウガラシ〕に味噌をのせて食べて、それに御飯を2、3杯お昼に食べて夕方暗くなるまで働いている毎日でした。 また、涼しい時季にも粉餅をワタシで焼いてそれにタデ味噌を塗って食べる人もいました。 文 田辺雄司 〔居谷〕 |