ヤナギハナガサ
暮らしとの関わり
 石黒では、ごく稀にしか見られないが、市街地及びその周辺ではしば見受けられる。とくに道端の草ヤブの中に鮮やかな紫色の花が際立っていて目を引く。また、時には歩道のコンクリートの隙間から芽を出して50cmほど茎を伸ばして花をつけてるものも見受けられる。(右下写真)
 もともと、花壇から逸出したもの
であろうが、道端の草ヤブで見かけるものは一人前の自生植物と言ってよい。周囲の草に負けずに茎をのばし毎年、紫色の花をつけて存在感を示している。今朝、出会った個体は筆者の背の高さ(172p)ほどあった。
 また、花には芳香があるとの情報もあるが82才の筆者の鼻では感知できなかった。
 ちなみに、「日本帰化植物写真図鑑」(全国農村教育協会)には同じ仲間のアレチハナガサ(関東以西に自生)が掲載されているが、写真を見る限り花は地味であり開花時期には容易に区別がつくように思われる。
 

2020.6.16 田塚


              茎と葉の様子-1
 写真 2020.6.14 田塚

             株立の基部の様子

写真 2020.6.16 田塚

                花序


写真 2020.6.16 田塚 背景は黒姫山


解 説
クマツヅラ科
 帰化植物。太平洋戦争敗戦の頃にに帰化し、現在では全国の市街地の道端などに見られる多年草
 茎は断面が四角形で中空、剛毛があり株立で直立する。草ヤブの中などでは高さ1.5mに達するものも見られる。
 葉は広い線状で縁には荒い鋸歯があり、基部は茎を抱き対生する。葉の長さは6〜12pほど。
 花期は6〜8月。茎の頂きに花序を出し、先端の5裂した紫色の、直径5mm、長さ1cmほどの筒状の花冠を密につける。花冠の外側には白い開出毛が生える。
 果実は4分果で長さ1.5mmほど。背面は褐色、腹面は白い.
 名前の由来は葉が柳のように細いこと、花を先端に笠状に着けることによる。



    茎と葉の様子-2
写真 2020.6.14 田塚

      茎を抱く葉の基部


     花冠の開出毛

写真 2020.6.16 田塚

  側溝の脇に生えた個体
 写真 2020.6.16 田塚