ヤグルマソウ | |
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暮らしとの関わり 筆者は、40歳代に黒姫山で初めて出会ったときに、その壮大な葉から強い印象を受けた記憶がある。その後、黒姫山(地蔵峠側)では出会ったことはない。八石山、米山では何度か目にした。 上記写真は、筆者が50年ほど前に立山に登った時に上り口の道沿いに崩落した土の中の小さな株を拾ってきて移植したものである。その後は、数株には増えたが、とくに目立った繁殖は見られないで今まで生き続けている。自生地では大きな群生をなしているのをよく目にするので意外なことに思われる。 群生を形成するための条件が満たされない場所であるのであろう。 (ちなみに、下の写真「若葉のころ」のヤグルマソウの右側の植物は50年ほど前(1965)に当時の栃尾市の田代分校の近くから移植したユリワサビである。こちらも30年ほどは細々と生き続けていたが、筆者が生家の庭の整備を始めた20年ほど前から徐々に勢いを増して今ではかなり大きな群生を形成している) それはともかく、ヤグルマソウは、純白の花も美しいが、何といっても矢車に似た形の整ったその壮大な葉が身上の野草であると思う。 〔写真2007.7.22 下石黒〕 若葉のころめ ※右はユリワサビ ![]() 写真2014.5.3下石黒 初夏の頃-1 ![]() 初夏のころ-2 ![]() ![]() 花期-1 ![]() 花期-2 ![]() 果実期 ![]() 写真 2020.7.24 下石黒 ![]() |
解 説 ユキノシタ科 北海道、本州の深山の沢沿いの湿ったところに多く生える大型の多年草。しばしば大群生をなす。 根茎は太く横に這うように伸びる。 根出葉は大きなものは径50pにも達する。形は掌状で5裂する。小葉は倒卵形で先端が3〜5裂する。基部はくさび形で縁には細かい鋸歯がある。 花期は6〜7月。葉より長い花柄を直立して高さ1mにも達す。花茎には数個の茎葉を互生し先端に集散状の円すい花序をつける。 花は長さ0.5〜4mm。花の径は6〜8mm、ガク裂片は5〜7個、咲き始めは緑白色でのちに白色となり平開する。花弁はない。 雄しべは10本ほどあり、花柱は2個、ほぼ直立し長さ3〜4mm。 花糸は白色,葯は長卵形で長さ1.2mm。雌性先熟。 さく果は狭卵形で長さ約5mmで残存する花柱の間で裂ける 名前の由来は5枚の葉の形が端午の節句の鯉のぼりの先端につける矢車に似ることによる。 芽が出るころ ![]() 写真2017.5.5下石黒 若葉 ![]() 開花前 ![]() 花序と花の形 ![]() ![]() 果実期 ![]() 写真2018.9.19下石黒 |