ヤエムグラ
 石黒では、ごく稀にしか見られない。子どもの頃の記憶にもこの草はない。
 筆者がヤエムグラを初めて見たのは、県外の旅行先であった。いかにも雑草という風体であるにもかかわらず、輪生した小さな葉が珍しく、美しくも感じたことを憶えている。
 柏崎市街地周辺では普通に見受けられるが、今でも春の若草のころの姿には何か心をひかれるものがある。
 たまに、葉の幅の広いものに、出会うが、WEB上の情報によれば、特に冬の葉が幅が広く、冬の光を効率よく受け止めるようにできているということだ。つまり、冬の時期だけの現象であり春になると次第に茎が伸びあがって葉と葉の間が広がり、葉は細長く被針形となるとのことである。
 柏崎周辺では越年草としての生態は見られるものかどうかわからないが、今までに撮った写真の中には葉の幅の広いものがある。撮影日を調べると、やはり2011.12.2日であった。(下写真)

写真2009.5.9 茨目 右上2009.5.14藤井


            冬のヤエムグラ
写真2011.12.2畔屋 

               若草の頃

写真2009.4.7平井



解 説
アカネ科
 日本各地の道端などに自生する史前帰化植物1年草ないし越年草
 茎はやや柔らかく分枝し、4があり稜にそって逆向きの細いトゲがある(下写真)。そのトゲで他の植物によりかかりつかまって斜上する。
 葉は細長な披針形で6〜8個が輪生しているように見える。(実際は1対の2片が正規の葉で他は葉状托葉)葉の長さは1〜3p、幅は1.5〜4mm。葉の縁から上面、下面の中央脈上には逆トゲがある
 花期は4〜6月。茎の先や葉のつけ根から花序を出して小さな黄緑色の花をつける(上写真)花冠は4裂して4個の雄しべがある。
 そう果は小さな2分果からなり、径2mmほどで表面は鉤状の毛があり衣服などにつく(下写真)。
 名前の由来は幾重にも重なって茂る様子による。



     細かいトゲ

写真2011.5.1茨目

      果実
写真2010.6.11下藤井