ヤブマオ
 石黒では未だ出会わない。石黒に多く自生するカラムシに比べて粗大な感じを受ける。葉の形などはいかにも雑な感じだ。
 ためしに、茎を折ってみると茎皮に粘りのある強靭さがみられない。おそらく皮の繊維はカラムシほどの有用性は持たない植物であろう。昔から繊維から織物につかったといわれているが・・・。
 また、ヤブマオの仲間は変異が大きく、カタバヤブマオ・マルバヤブマオなどの変種がみられるとのことであるが筆者には区別はできない。ともするとここに記載の種はカタバヤブマオである可能性もある。今後、観察し調べてみたい。

写真 2012.10.8 米山海岸


               雌花

写真 2012.10.8 米山海岸

              葉

写真 2012.10.8 米山海岸

           葉裏の毛

写真 2012.10.8 米山海岸



解 説
イラクサ科
 本州・四国・九州に分布する多年草。道端や林縁などに普通に見られる。
 茎の高さは80〜150cmほどで叢生して群生する。
 葉は対生し円形または広卵形で縁粗い重鋸歯があり(下写真)葉の形とともに重鋸歯の大きさは変化に富む。葉の長さ10〜19cm。葉質も薄いものから厚いまで変異が多い。  葉の裏面、とくに脈上には毛が密生する。
 花期は7〜10月。葉のつけ根から穂状花序をのばす。雌雄同株で雄花序は下方に雌花序は上方につくが、普通は雄花はつけず無融合種子形成をおこなう。まれに雄花をつける個体がみられる。
 雌花の2枚の花被は筒状に合着し子房を包み果期まで宿存する。
 名前の由来は藪にはえる真苧(マオ)の意味。



     縁の重鋸歯
写真 2012.10.8 米山海岸

      茎の皮
写真 2012.10.8 米山海岸