ウツボグサ | |
暮らしとの関わり 子どもの頃の石黒では、道端など普通に見かける草であった。今では、稀にしか見かけないが、直立した鮮やかな青紫色の花が目をひく。 筆者は、このウツボグサには特別な親しみを持っている。自分にとっては、野草の中でウツボグサは別格の存在である。子どもの頃に何か強い印象を受けたせいかもしれない。 花の色には濃淡に違いが見られるが育成地の環境によるものか、個体のちがいによるものか分からない。 また、近頃は個体数も減少したせいか、花穂全体に花が咲きそろったものにはなかなか出会うことができない。とはいえ、もともと、この花の咲き方が花穂の下から咲いていくので上部が開花する頃には下部の花は終わってしまうせいかも知れない。 →参考画像 (写真上・右上2005.7.8上石黒 右下2004.11.2下石黒) 草全体の様子 写真2006.6.9下石黒 群 生 写真2006.6.9下石黒 花冠拡大 写真2009.6.9下石黒 包葉 写真2010.6.23下石黒 海岸にて 写真2013.6.14番神 |
解 説 シソ科 日本全国に自生し、山地の日当たりのよい道端に多く見かける多年草。 茎は四角で根元からむらかり生えて〔左下写真〕直立、あるいは斜めに立ち上がる。高さ20〜30p。 葉は対生し長さ1〜3pの柄があり長楕円状皮針形で長さ2〜5p。茎、葉、花序ともに白色の粗い毛がある(下写真)。 6〜7月ごろ茎の頂きに長さ3〜8pの花穂をつけて青紫色の唇形の花をつける。 包葉はゆがんだ心臓形で縁に毛があり花軸に対生してつき、そのつけ根に3個ずつの花をつける(左下写真)。 ガクは長さ7〜10o、先端が5裂して鋭く尖る。花冠の長さは約2p、下唇は3裂し中央裂片の縁には鋸歯がある。雄しべ2本は他より長い。 夏になると花穂が枯れ黒くなる〔上写真〕ことから夏枯草(かこそう)の呼び名があり、この穂は漢方薬として利用される。 名前の由来は、花穂が弓の矢を入れる靫(うつぼ)の形にいていることによる。 包葉とガク 写真2006.6.9下石黒 吸蜜するハチ 写真2005.7.8上石黒 四角の茎と白色の毛 写真2010.6.23下石黒 対生する葉 写真2006.6.22下石黒 |