ウマノアシガタ
暮らしとの関わり
 子どもの頃は、キツネノボタンと区別することなく見ていた。子どもの頃から毒草と聞かされていたので飼いウサギの餌をとるときには注意した。
 ウマノアシガタは、時には「キンポウゲ」と呼ばれ、キンポウゲ科を代表する花であると言われるが、正直なところ、筆者は、花自体はそれほど美しいとは思わない。
 しかし、花弁が光を浴びキラキラと輝くため、晴天下の撮影では苦労する。こんな花は他にフクジュソウくらいなものではないだろうか。
 また、群生しているウマノアシガタの開花時は目を近づけるとまぶしいくらいに感じる。(花弁が光を浴びてキラキラ光るのは花弁の下のデンプンを含む細胞層が光を反射する事によるとのこと。
 それにしても「ウマノアシガタ」の名前の由来は、「葉の形がウマの足跡に似ている」とする説には納得がいかない。馬の足形というならむしろ「花弁の形による」とするほうが妥当のように思われるが・・・。
(参照→右下花弁・根生葉写真)
 
(写真2005.5.19下石黒 右下2005.6.29落合 )


       がく片背面の毛

写真20075.5.12下石黒

    まぶしいような沢山のウマノアシガタの花

写真2007.5.12下石黒

         ウマノアシガタの群生

写真2009.5.28下石黒
ケキツネノボタン(上)との比較
ケキツネノボタン(各左)との比較
写真2009.5.14下石黒


      海岸に見られるウマノアシガタ
写真2012.5.15笠島海岸

解 説
キンポウゲ科
 北海道から九州までの各地の日当たりのよい道端などに生える多年草。有毒植物。
 茎は中空〔下写真〕直立し一個所から数本に分かれて伸び枝分かれし先に花を各1個つける。(下写真)茎や葉柄ともに開出する長い毛がある。草丈30〜50p。
 根出葉は長い柄があり10〜20p、葉身は3〜7pほど。手のひら状に3〜5裂し、両面に伏毛がある。
 花期は4〜5月。著しい金属光沢のある黄色い花〔左下写真〕をつける。
 花の直径は2pほどで花弁は5個で基部に小鱗片がある(下写真)がく片も5個で裏には毛がある。(左下写真)
 
集合果は球形でそう果はキツネノボタンに似たコンペイトウ形で径5〜7o。(キツネのボタンのそう果のように毛はなく先もカギ状になっていない)
 名前の由来は5裂した葉が馬の足跡に似ているとされるが鳥を馬に間違えたのでは、などの異論がある。
 しかし、別名コマノアシガタがあることからも、牧野図鑑にあるとおり遠目には円形に見えたことによる、とするのが妥当だとされている。



    茎の断面(中空)

写真2005.5.19下石黒
      茎の分岐

写真2005.5.25寄合
      花   弁

写真2009.5.12下石黒

    根生葉の形

写真2009.5.28下石黒

写真2005.5.25寄合

       種子
写真2005.6.29落合