ツルボ | |
暮らしとの関わり 石黒では、きわめて希な植物である。 かつては、石黒でも山道の周りに見られたといわれているが現在では見あたらない。 上の写真は落合の方が家の周りに移植されたものである。落合集落では10年ほど前(1955)までは田の畔によく見られたとのことだ。 市街地の周辺では時々目にする植物である。海岸部では群生も見られる。→参考写真 江戸時代から敗戦時まで、恐慌植物として用いられた記録が残っている。 写真2011.10.4落合 春の葉 2009.4.19落合 春、枯葉を持ち上げて伸びる葉 2013.4.29平井 群生 2009.4.27畔屋 花のつくり 2010.9.19落合 草薮の中のツルボ 写真 2012.9.8鯨波 花期 写真2015.9.17野田 蕾から花へ変化と花穂の大きさ 2013.9.15松美町 全体の様子 2012.9.16鯨波 果実期 写真2012.9.23鯨波 |
解 説 ユリ科 日本全国の山地の日当たりのよい所に生える多年草。 鱗茎は卵球形で長さ2〜3.5pほどで外皮は黒い(写真準備中)。 葉は春と秋の2回出て春のものは夏に枯れる。2個向かい合った葉は深緑色。直立して表面は凹み質は軟らかで上部は曲がって垂れ下がる〔左下写真〕。葉の長さ15〜25pで幅5oくらいで、秋の葉は花と同時か、やや遅れる。 花期は8〜9月。葉の間から30pほどの花茎を出して先端に穂状の淡紫色の花〔総状花序〕をつける(左上写真)。小花は密につき花披片は6個、淡紅紫色で平らに開く〔上写真〕。 雄しべは6個、花糸は紫色で糸状で基部は広がる。雄しべは1本、子房は楕円体で縦3列に並ぶ短毛がある。花柱は長さ1.5〜2o。 さく果は楕円体で長さ4〜5o。 名前の由来は、「蔓穂-つるほ」であろう。 別名「サンダイガサ」は、昔、公家が参内するとき供人がその後から差しかける長柄傘をすぼめた形に似ていることによるといわれる。。 鱗茎と茎の基部 2012.9.16鯨波 吸蜜に訪れるハナアブ 2011.9.17松美町 つぼみ 2012.9.18松美町 花期 2010.9.19落合 果実 写真2012.9.16鯨波 果実と種子 写真2013.10.6鯨波 ※参照 参内傘〔さんだいがさ〕 作成2013.2.25 |