トキンソウ
暮らしとの関わり
 子どもの頃に、お盆前の庭の草取りではお馴染みの草だ。筆者の生家の土蔵の周りに多く生えていた。お盆前の草取りで、花とも果実とも見分けの付かないる頭花をつけたこの草姿は独特の匂いとともに忘れない。
 舌状花を持たない頭花であるので地味そのものである。何とつまらない花であることかと思ったものだ。
 だが、その名を調べると「吐金草」、いわば「金を吐き出す草」とのこと。命名者の思いやりがうかがわれるような気がする。

〔写真2006.9.1上石黒〕


                花期前
写真2006.8.7上石黒
   
          花期から果実期
写真2006.9.1上石黒
解 説
キク科
 日本全土に分布する一年草。  庭や畑や道端などに普通に見られる。
 茎は分枝して地上を這い斜上する。長さ5〜20pほど。広がって各所から根を出し繁茂する〔左上写真〕
 葉は互生してへら状のくさび形で長さ1〜2p、幅3から6o。先端に3〜5の鋸歯がある〔上写真〕
 質はやや厚く軟らかい。柄は短く下面に腺点がある。
 花は7〜10月。葉の付け根に直径3〜4oの緑色の頭花をつける。無柄または短柄で径3〜4o〔左写真〕総包片は長楕円形で縁は乾膜質。中心に両性花を10個ほどつける。筒状花のみで舌状花はない。
 そう果は長さ1.3oで5角柱状、微細な毛があるが冠毛はない。。
 名前の由来は、その頭花を押しつぶすと黄色のそう果が出てくることによる。



        花
写真2006.8.7上石黒

     種子散布期
写真2006.9.1上石黒