タニギキョウ
暮らしとのかかわり
 石黒では、稀にみられる植物である。筆者は、サワハコベと思って撮影したが、写真の整理中に花弁が異なることに気が付いてWEV上で調べたところタニギキョウであることが分かった。
 名前も初めて聞く植物であったが、キキョウ科とは意外であった。しかし、花冠の中の器官をよく見るとキキョウの花にそっくりで納得がいく。
 葉や茎はとても柔らかなので、ハコベのようにニワトリが好んで食べるに違いない、などと子ども時代〔1940代〕に家人に言いつけられてハコベを採ってきて食べさせたニワトリのことを思い出した。

写真2007.10.1 寄合


               小群生写真2009.5.4下石黒

    葉の少数の鋸歯と下垂する果実と5個のガク
写真2009.5.4下石黒

解 説
キキョウ科
 北海道から九州の山地の木陰にはえる小形の多年草
 地下茎は白色糸状で長く伸び枝分れしその先端が立ち上がって地上茎となる。
 葉はまばらに互生して5〜15mmの柄がある。葉身は広卵形で長さ8〜25mmほどで上面に軟毛が散生する。縁はまばらな鋸歯がある〔左写真〕
 花期は5〜8月ごろ。茎上部の葉のつけ根に細い花柄をだして5深裂する白色の花をつける〔左下写真〕。
 花冠の長さは5〜8mm、下位子房で上端に5個の三角状のガク片がつく。雄しべは5個でヤク線形。雌しべの柱頭は3裂する。
 果実は宿存ガクがあり垂れ下がり裂開しない。
 名前の由来は谷ギキョウの意味。



       開花前
写真2009.5.4下石黒

  花拡大−柱頭は3裂する前
写真2009.5.4下石黒