タイリンヤマハッカ
暮らしとの関わり
 北陸地方の貴重植物とされるタイリンヤマハッカは石黒では、ごく普通に見られる。
 花の咲くころになると、葉が薄汚れたようになって見栄えのしないものが多い。
 しかし、今日(2010.10.8)下石黒の堀切沢で見たタイリンヤマハッカの花は美しいと思った。→参考画像
 カメバヒキオコシ〔関東以西に分布〕と葉はそっくりであるが花が少し大きいという。〔※カメバヒキオコシの花の径−8〜10o〕
 ハッカと名がつくが、それらしい匂いはない。
 
写真上2005.10.6上石黒 右上2005.9.26上石黒 右下2005.9.2上石黒


                若芽
 写真2013.5.28下石黒

写真2013.5.31下石黒

写真2009.6.18下石黒

              葉のつき方

写真2010.10.8下石黒

       ガクと花冠の形

写真2005.10.6上石黒

           葉の形と表裏

写真2010.10.2下石黒

            全体の姿

写真2010.10.2下石黒

             花期から果実期へ
写真2010.10.17下石黒
                  群生

解 説
シソ科
 新潟県から東北地方南部の日本海側の山地、主にブナ帯の林内、林縁の湿ったところに分布する多年草
 高さ60〜100p。茎は四角で直立し下向きの短毛がある。(下写真)
 葉は対生し柄があり長さ5〜10p、幅4〜9pほどでしっぽのある亀の甲羅のような形をしている。縁には鋭い鋸歯がある(左下写真)。先端は3裂し中央の裂片は尾状に細長く、脈上に毛があり表面にもまばらに毛がある。
 花期は8〜9月。花は唇形花冠を多数つける。長さは12〜13oで明るい紫色。ガクは上唇は3裂、下唇は2裂し果実期には伸びて長さ7ミリほどになり脈が目立つ。
 花冠は長さ9〜11o、筒部は短く基部の上側はふくらみ浅く4裂し、下唇は舟形で前方に突き出ている〔左写真〕。雄しべは4本で2本は長い(下写真)
 カメバヒキオコシの変種とされる。
 環境省による「緑の国勢調査」で北陸地方の貴重植物に指定されている。



   前年の茎から出る新芽


写真2013.5.28下石黒

     太い根茎
写真2007.10.2下石黒

     葉の脈上の毛
写真2010.10.2下石黒

  四角の茎と下向きの毛

写真2007.10.2落合

        中空の茎
写真2010.10.7下石黒


        花序
写真2005.10.7上石黒

    2本だけ長い雄しべ

写真2010.10.2下石黒