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タガネソウ | |
暮らしとの関わり タガネソウは、石黒では稀に見られる野草である。スゲ属では、その葉の形態から変わり種の野草といってよい。 とくに、春の若葉は、いうに言われぬ優しい美さをもつ。 花は、春、葉に先立って現れるが、見るに値しないほど地味であり、葉の美しさがこの植物の身上である。 庭園のグランドカバーにも使える野草である。丈が短く、筆者の庭での観察によれば繁茂し過ぎることもない。 ただ、冬季には葉が枯れるために晩秋から春先には、景観がよくないという短所はある。 根は、しっかりと張っていて引き抜こうとしても簡単にはいかない。 (写真2005.7.14下石黒 右下2005.6.18下石黒) 小群生 写真2012.5.13下石黒 雄花と雌花 写真2005.6.18下石黒 花茎の基部を包むサヤ状の葉 写真2009.5.12下石黒 花期 写真2009.5.17下石黒 石黒の庭に植えたもの 走出枝を出して増える 写真2013.4.29矢田 |
解 説 カヤツリグサ科 北海道から九州までの各地の山地の林の中に自生する多年草。 根茎は短いが長い走出枝を出して群生する。高さ10〜40p。 葉は走出枝のものがよく発達し根元から5〜6枚、竹の葉に似た葉を出す。長さ12〜23p、幅1.5〜3p。裏面に軟毛を生ずる。質は軟らかい。 花期は5〜6月。葉の株から離れたところの前年の株から数本の花茎を出す。高さ20〜30p。花茎の基部は赤褐色のサヤ状葉に包まれる(左下写真)。 花茎の上の方には黄茶色の雄花、下の方には淡い赤紫色の雌花がまばらについている〔左写真〕。包は長いサヤがあり葉身は短い。鱗片は長楕円形でとがり汚紅色の細かい点がある。 果胞は鱗片より短く長楕円形で長さ3p、無毛で脈が隆起し嘴は短い。柱頭は3個。 名前の由来は、葉の形が鍛冶職が用いるタガネに似ていることによる。 若 草 写真2009.4.17寄合 葉裏の細毛 写真2013.9.3下石黒 赤色を帯びる鞘の基部 写真2013.4.29矢田 |