シラネアオイ
暮らしとの関わり
 石黒では「ヤマボタン」と呼んだ。石黒でシラネアオイが自生している所は昔から限られている。
 20年ほど前はに大きな群生がみられ山菜採りで山の斜面を渡るときにシラネアオイをつかんで歩いたというのは誇張ではなかった。
 また夏季に山の藪に入ると巨大と呼びたいほどに生長したシラネアオイの葉に出会った。葉の直径は40cm以上はあったであろう。
 だが年々個体が減少している。昔は、しばしば白花にも出会ったが現在ではほとんど見ることが出来ない。
 このような希少個体の減少は盗掘が主な減少の原因の一つである。山野草展などと称して見事な野草の鉢植えが出品されるが、真の山野草愛好家による展覧会であるなら実生から育てることが出品の鉄則であろう。でなければ稀少種は出品種目から外すべきではなかろうか。

(写真上2008.4.30寄合 右上2005.4.30板畑 )


             つぼみ期

写真2006.5.16地蔵峠

              花期−1

写真上2012.5.15板畑

              花期−2

写真上2009.5.11板畑

                花期-3

写真2014.5.7鵜川地内

         花期後のシラネアオイ

写真上2005.7.25下石黒

         花の下にある葉状の包

写真上2012.5.15板畑(地蔵峠)

            果実期

 板畑2009.5.8板畑
      
解 説
キンポウゲ科
 北海道、本州中部以北に分布する多年草日本の固有植物
 特に変異の少ない植物といわれている。柏崎地区などでは自生の場所は限られ少ない。
 雪の多い地方の林の縁や山の斜面などに生える。根茎は太くなり横にはう。
 茎は細長く直立し上部で枝を出す。花期30〜40p。花後には60pまで達する。黒姫山などでは花後の巨大な葉に驚かせられる。
 葉は、基部に1個の柄の長い根出葉を出す。幅20〜30pほど。茎の上部に大きな2枚の葉が互生し、5〜7個に鋭く裂けて縁には鋭い鋸歯がある(左写真)。脈は上面で凹み、表裏とも脈上に毛がある。
 花期は5〜6月。茎の先に1個の薄紫色〔希に白色〕の直径7pほどの大形の花をつける。花の下にある包葉は無柄で腎臓形で鋭く裂ける(左下写真)。花弁はなく花弁に見えるのはガク片である。ガク片は4個、オシベは多数、雌しべは普通2個だが時には1個、3個のこともある(左下写真。 
 さく果も四角形の2個の袋果となる(上写真)
 名前の由来は日光の白根山に多く産し、花がタチアオイに似ていることによる。



      全体の姿
写真上2005.7.25下石黒
    つぼみの頃(植栽)

写真 2018.4.17 餅粮 
         花
写真2014.5.7鵜川地内

    雄しべと雌しべ

写真上2008.4.30板畑
 
 雌しべの数・1個のこともある

板畑2009.5.8板畑

        白花

写真2009.5.8 和平氏移植栽培