セイヨウカラシナ
暮らしとの関わり
 ここ20年程であるが、自宅の近くの幅2mほどの排水路の周りに野生化したセイヨウカラシナが見られる。除草剤の撒かれる場所ではないためか、毎年、同じ場所に自生し続けている。近くに畑もあり、アブラナも植えられているが、初めは、その種が飛んできたものであろうが今では独自にその場所で世代交代を続けている様だ。
 筆者の観察では全体が白味を帯びていないので(上の写真はやや白味を帯びているが写真の写り具合によるもの)セイヨウアブラナではなくセイヨウカラシナのようだ。
 WEB上で調べるとアブラナ異種間交配しやすく、雑種がみられ区別がつきにくくなっていると言われている。
 この場所は、散歩道付近でもあり、来年は念を入れて観察をしてみたいと思っている。
 今年は希に見る暖冬であり散歩道の水路斜面のセイヨウカラシナの成長も早い。今日(2020.3.5)散歩の途中で近づいて見ると食べごろに思われたので2,3本摘み取って帰り、茹でてもらい試食してみた。我が家の菜園でつくっているコマツナに比べて若干あくがあるがそれなりに美味しい。両種を交互に食べて何度か比べてみたが、野生種の「あく」には甘味も感じられ、栽培種の方が物足らないようにも思われたが・・・。
 今年(2021年)は近畿東海までは5月16日ごろに早々梅雨入りの報道があったが新潟県も雨模様のぐずついた天気が続いている。
 今日(5月27日)も終日小雨模様の天気であったがセイヨウカラシナの種子の観察に出かけた。鞘の長さは3〜4pほどで先に5mmほどの嘴がある。種子は径1mmと小さい(右下写真)。他の場所の個体も観察して比較してみたいと思っている。

写真 2019.3.17 柏崎市藤元町


         3月下旬の頃の様子
  
写真 2019.3.17 柏崎市藤元町

          3月中旬の頃の様子
写真 2020.3.10 柏崎市藤元町

        暖冬で早い開花始まる
写真 2020.3.16 柏崎市新田畑農道

            開花始まる
写真 2020.3.21 柏崎市新田畑農道 
背景-黒姫山
写真 2020.3.30 柏崎市新田畑農道 背景-黒姫山

               果 実 期
写真 2020.5.9 柏崎市新田畑農道 背景-黒姫山

             種子散布後の様子
 写真 2019.3.17 柏崎市藤元町
  
          果実穂(鞘)の様子
写真 2021.5.27 柏崎市藤元町



解 説
アブラナ科
 ヨーロッパ原産のアブラナ科アブラナ属の二年草。日本へは中国より弥生時代に農耕文化と共に渡来したものとされる。
 草丈は50〜150pほど。筆者観察の限りでは、茎がやや薄紫色を帯びたものが見られる。(下写真)
 葉に切れ込みがあり茎上部の葉は小さい。基部は茎を抱かない。(区別点)
 花期は3〜4月。1cm程の黄色の十字形の花をつける。花は茎の上部に総状につく。
 ガク片披針形の舟形。花弁は倒卵形で先端は円形。基部はくさび型。雄しべは6本中の4本は長い(下写真)。雌しべは1本、花期が終わると円柱形の鞘となって多くの種子を包む。
 名前の由来は辛味のある菜という意味。



     春先の頃の様子
写真 2019.3.17 柏崎市藤元町

 赤紫色を帯びた茎も見られる
写真 2020.3.30 柏崎市藤元町

    例年より早い開花
写真 2020.3.7 柏崎市藤元町

    花序と花冠のつくり


写真 2020.3.30 新田畑

      果実期へ
 写真 2020.4.22 新田畑


      試食してみる
写真 2020.3.5
松美町

     果実(鞘)と種子
 写真 2021.5.27 柏崎市藤元町