オオヤマサギソウ
暮らしとの関わり
 昔は、山道沿いでよく見かけたが、今では石黒でもめったに出会うことの出来ない植物になってしまった。
 上記写真のオオヤマサギソウは元石黒校から落合の堀割との間の道沿い(国道353)に生えていた。春の内から観察を続けたが花期を過ぎてまもなく根こそぎ掘り起こされて持ち去られた。
 花は地味であるが穂状につくことと葉がラン科にふさわしく艶やかで美しく、凛とした草姿も印象に残る野草である。
 はじめ、オオバノトンボソウとして掲載したがWEV上で調べたところオオヤマサギソウと分かったので訂正した。
 下の右写真の個体は下石黒のホリキリ沢上の屋号横手の屋敷〔筆者宅〕下のミョウガ畑の中に生えていたもの。

(写真上・右上2005.7.5上石黒 右下2005.7.15上石黒)


茎を抱く葉 下石黒地内の個体
写真2005.7.5上石 写真2009.7.3下石黒

             花のつくり

写真2009.7.3下石黒

             開花前

写真2005.6.23下石黒
解 説
ラン科
 北海道、本州、四国、九州に分布する多年草
 根は太く白く斜め下に広かるようにのびる。
 茎は直立して高さ40〜60pで緑色。が発達している〔下写真〕
 葉は茎の下部の2枚は大きく長さ7〜11pで光沢があり、基部は次第に狭くなり葉鞘となって茎を包む。(左下写真)。茎の上部の2〜3枚の葉は被針形で小さくなり包葉へと連続する(下写真)
 7〜8月ごろ20〜30pの花茎を茎の先に伸ばし白色から緑白色の目立たない花を10〜25個ほど穂状に咲かせる。
 花の径は7mmほど。唇弁の長さは5〜7mmで後方に反り返る。 側ガク片側花弁は長さ3〜5mm。は細長く、長さは1.5〜2センチ、後方に突き出すように伸びる。下位子房は細長く緑色。
 さく果は長楕円形の円柱形。
 名前の由来はヤマサギソウに似て大きいことによる。



       つぼみ
写真2009.6.25下石黒

     ねじれた子房

写真2009.7.3下石黒

 葉裏の主脈の隆起、茎の翼へ

写真2009.6.25下石黒

        子房

写真2009.8.21下石黒