オオフタバムグラ
暮らしとの関わり
 初めて出会ったのは松波海岸の防波堤の上であった。高さは15〜25cm内のものが多く、小群生も見られた。(下写真)
 その分布について、植物図鑑やWEV上のデータを見ると、本州中部以西となっているもの、宮城県以西となっているものなどいろいろであるが、北アメリカから渡来して85年の歳月がたち徐々に分布を広げつつあるのであろう。
 WEV上のデータによると鳥取砂丘では、爆発的に繁殖が見られ丘を草原化する勢いであるため除去作業が行われているとのことである。
 柏崎の海岸におけるオオフタバムグラの分布は、筆者の見た限りでは、現在(2012)、定着が始まったばかりで、在来種の生態系に影響を及ぼすことはないと思われる。
 ※「柏崎の植物」1981年刊にはオオフタバムグラは検索リストには見当たらない。
 今日〔2014.9.20〕に久しぶりに訪れると鯖石川河口付近の防波堤の上や裏斜面にオオフタバムグラが自生地を広げつつある様子が観察された。このまま繁殖していくと数年後には防波堤でかなり目立つ植物の一つになるであろう。

写真2012.8.29 松波海岸


               小群生-2012

写真2012.8.29 松波海岸

   小群生-2013(手前が本種、その先はハマゴウ)
写真2013.9.17 松波海岸

              果実期
写真2012.9.30 松波海岸

           根と分枝の様子
   写真2012.8.29 松波海岸

   果実の先端の4個の宿存ガクとその縁の毛

写真2013.9.17 松波海岸

   自生地をひろげつつあるオオフタバムグラ
写真2014.9.20荒浜海岸

解 説
アカネ科
 北アメリカ原産で1927年に東京の郊外で発見された一年草帰化植物。海岸や河原の砂地によく生えるが道端にもみられる。要注意外来生物
 茎は直立または斜上し高さ10〜50cmほどになる。全体に軟毛が密生する。
 葉は線状披針形で先は尖り、長さ2〜4cm。幅2〜4mmほどで柄はない。両面には固い毛がありざらつき、縁にはとげ状の毛がある。葉のつけ根には針状の長い托葉がある(下写真)
 花期は7〜8月。茎の上部の葉のつけ根に托葉と茎に挟まれるように小さな白または淡紅色の花をつける。花冠の長さは4〜6mmほどの鐘形で上半分は4片に深く裂け、裂片は平開する。雄しべは4個、通常、花冠の長さは針状の托葉より短い(上写真)
 果実は長さ3〜4mmの倒卵形で表面に堅い毛が密生していて先端部には宿存ガクが4個上向きについている。このガク片の縁には密に毛が並んでいる。(写真用意中)熟すと2個に分かれる。
 名前の由来はフタバムグラに似てやや大形であることによる。



     発芽直後
写真2013.4.16 松波海岸

    幼苗と直下する根


写真2013.6.10松波海岸

写真2013.7.8松波海岸

  先の尖った柄のない葉
写真2012.9.30 松波海岸

         花

写真2012.9.30 松波海岸

   葉の縁の棘状の毛
写真2012.8.29 松波海岸

       果実期
写真2012.9.30 松波海岸