オオバノイノモトソウ

暮らしとの関わり
 石黒では、見られない。柏崎市街地周辺でも希である。牧野植物図鑑には関東以西に分布とあることから寒冷地では生存しにくいシダなのであろう。
 筆者は30年ほど前に群馬県から採取してきたものを庭に移植したが十数年間生存したことから、柏崎市でも十分露地でも生育することがわかった。
 本種もどことなく園芸種のような趣があるが、羽片の中肋沿いに斑の入った種をマツザカシダと呼び鑑賞用とされたというがうなずける。
 
写真2011.12.1畔屋


              全体の姿

写真2014.10.1平井

                 葉の様子

写真2011.12.1畔屋

              葉の鋸歯及び中脈と側脈

写真2011.12.1畔屋

               葉の大きさ
写真2015.12.20平井



解 説
イノモトソウ科
北陸以南の本州、四国、九州の山地の半日陰地の傾斜に見られる。常緑性シダ。
 根茎は比較的細く短くはい褐色の小さな鱗片がある(上写真)
 葉は栄養葉胞子葉の2形があり、栄養葉は長さ60pに達し、葉柄は葉身より長く羽片は3〜5対で幅は1.5〜3p。うすい皮質で縁には鋸歯がある(下写真)。胞子葉は2〜5対の羽片をもち羽片の幅は6〜12o。
 胞子嚢は羽片の縁につき縁が裏側に反り返って胞子嚢を包む。中脈は明瞭で、側脈は多くが2又に分枝し平行して縁に達す。葉柄は針金状で縦に溝がある(上写真)
 名前の由来はイノモトソウは井戸の付近によく生えることにより本種は葉が大形であることによる。



側脈 分岐し平行に縁へ
写真2015.12.20平井

 胞子嚢を包む葉の縁

写真2011.12.1畔屋

         葉
写真2011.12.1畔屋