オニヤブマオ

暮らしとの関わり
 オニヤブマオは、石黒には自生していない。市街地周辺でも山側には見かけない。
 昨年の10月に田塚の工業団地付近の埋め立て地で撮影した。2株ほどみられたが、どちらも一度刈り取られた2番芽であった。それでも果実は見られた。
 葉は黄緑に近い明るい緑色であった。茎は手折ってみると非常に強靱で驚いた。
 しかし、マオ(カラムシ)などに比べて繊維は弱いといわれる。たしかに、実際に手折って皮を引っ張ってみると、生の状態では、確かにカラムシよりも切れやすい。

 写真2012.10.8 笠島海岸


         幼苗

写真2012.6.3 笠島

        葉のつきかた(対生)

写真2011.10.15 田塚

           大きな葉

写真2012.8.23 番神海岸

        細かい毛の密生する葉裏

写真2011.10.15 田塚

解 説
イラクサ科
 本州から九州に分布する大形の多年草。主に海岸近くに多く見られる。
 茎は頑丈で高さは7〜1.5mほどで叢生する。基部は木質化する。
 葉は対生(左下写真)形は円形または卵円形で、縁には大きさの揃った鋸歯重鋸歯はない)がある(下写真)
 全体に毛が多いが下面は全面に短く細かな毛が密生しビロード状である(左下写真)
 葉の質は厚く長さ10〜15pで先は急に尖り尾状となる(下写真)。
 花期は7〜10月。葉のつけ根から花序を出し、上部には雌花、下部には雄花がつく。雌花の2個の花被は筒状に合着して子房包む(上写真)。雄花には4個の花被と4個の雄しべがある。
 名前の由来は、剛強な外見や質によるものであろう。



   葉の表裏・揃った鋸歯

写真2012.8.23 番神海岸


       雄花
写真2012.8.23 番神海岸

        種子
写真2012.10.8 笠島海岸

       茎の皮
写真2012.8.23 番神海岸