オニハマダイコン
暮らしとの関わり
 オニハマダイコンを、柏崎市内で筆者が初めて見たのは場所は荒浜海岸である。ハマダイコンに比べてずんぐりしていて根元から盛んに枝分かれしたものが多い。草姿もハマダイコンとは大分異なる。
 もともと、日本で最初に発見、確認されたのは新潟県村上市の海岸であるという。また、酒井昭治著「新潟県の海浜植物」には、1986年に新潟西海岸で著者が初めて出会ったとの記載が見られる。このことから比較的、新しい外来種であることが分かる。
 発見が県内であるにもかかわらず、柏崎市の海岸では多く見当たらない。
 地方によっては、
警戒外来種の最上位に位置付けて駆除しているところもあるようだが、柏崎市で特に問題とされるほど群生している場所は、筆者の調べたところないようだ。(2012年〜2016年)
 聞くところによると、オニハマダイコンはヨーロッパでは食材に利用されていると聞くが、確かに肉厚の若芽の芯はいかにも美味しそうだ。
 先日、種子を観察してみたが、右下写真のように、2段に分かれた構造の果実をもっている。おそらく、上部は落下し易いので、海流に乗せて広く散布し、下部はその場所に散布するための構造なのであろう。もし、そうであるなら、何と巧妙な戦略ではないか
 今年(2013)は幼苗から成長の様子を観察してみたいと思っている。→観察写真右下
 今日〔2014.6.24〕、松波、荒浜の海岸を歩いてみると、過去4年の内で最も個体の数が多く見受けられるようだ。とはいえ、いまだ珍しい程度の個体数である。(2016年)
 

写真2012.8.23 荒浜海岸


              幼苗の成長

写真2013.5.21 荒浜海岸

              6月の幼果

写真2015.6.11東の輪海岸

写真2014.6.24荒浜海岸

               若葉


          根の様子

写真2012.8.23 荒浜海岸

                果実期-2


              果実期-2

写真2012.8.31 荒浜海岸

解 説
アブラナ科
 日本では1982年に新潟県で初めて発見されたヨーロッパ・北アメリカ海岸原産の帰化植物一年草ないし二年草
 高さは30〜60cm。全体が無毛で多肉質。
 葉は互生し短い柄があり、長楕円形から倒卵形全縁ないしは波状の低い鋸歯がある。
 花期は6〜8月。花の直径は8mmほど。花弁は4枚だが4枚すべてが出そろったものは少ない。 ガクは4個で雄しべは6個。
 果実は長さ1cmほどで上部と下部に分かれ上部には1〜2個、下部には1個の種子がはいっている。
 また、果実は上部の尖った球形で堅くて、熟すると上部がポロリと落ちて風に吹かれて波打ち際まで転がって行き海流に乗って遠くの海岸まで運ばれて発芽するものと思われる。果実の下部は茎に残りその場所に種子を落とす。
 名前の由来は、浜大根に比べて頑強そうに見える姿によるものであろう。



   基部の葉と上部の葉

写真2014.6.24荒浜

     見劣りのする花
写真2012.8.27 荒浜海岸

  稀に見られる花らしい花

写真20140624荒浜

      果実のつくり
写真2012.8.31 荒浜海岸

 果実の上部と下部にある種子
写真2016.8.14荒浜海岸