オカヒジキ

暮らしとの関わり
 市街地の裏海岸には極めて希に見られるほどに減少している。筆者が確認したものは4カ所、それも1〜2株である。
 未だ花期前であり花の観察を楽しみにしている。
 WEV上の資料によればオカヒジキは江戸時代の初期にはすでに栽培されていたといわれる。現在でも野菜として栽培されているが、自生種は、このように絶滅が危惧される状態である。
 ちなみに、塩性植物なので植物体内には塩分を含んでいてキャベツの浅漬けのような味がするそうだが次回訪れたときには試してみたいものだ。
 茎〔下写真〕に縦の緑色の筋のあるところなどいかにもアカザ科らしい。
 ※根の撮影では根の一部分の砂を取り除き撮影し埋め戻した


写真2012.7.6裏海岸


            花期直前
写真2015.6.11東の輪海岸

        
 互生する葉とトゲ状の先端

写真2012.7.6裏海岸

               果実期

写真2012.8.2裏海岸

           茎のすじ模様
写真2012.7.2裏海岸

              果実期の姿
写真2013.10.3鯨波海岸


解 説
アカザ科
 日本全国の海岸砂地に生える一年草。茎はふつう斜めに倒れた状態で下部から多数の根を出して広がる。無毛で高さ10〜40pほど。
 葉は肉質で互生し細い棒状で先は尖りトゲ状となり長さは1〜3p。
 花期は7〜10月。花は葉の付けに小さな花を1個つける。花の下にある2個の小包があり先は小さなトゲとなる。ガク片は5個、狭被針形で尖り質は薄い。 
 雄しべは5個でガクよりも短く、葯〔やく〕は黒色。雌しべは1個、卵形の子房のさきには深く2裂した短い花柱がある。宿存ガクは上の先が内側に曲がり軟骨質でその中に胞果が入っている。
 胞果倒卵形で上部は切形で2oほど。宿存する花柱がついている。果胞のなかには1個の種子がありは巻いている。
 若いうちは茎や葉が柔らかく茹でて食用にしたこと、棒状の葉がヒジキに似ていることによりこのこの名前がついた。



         花
写真2012.8.2裏海岸

        花後

写真2013.10.3鯨波海岸

        果実
写真2012.8.2裏海岸