ノギラン | |
暮らしとの関わり ノギランは、葉の酷似したショウジョウバカマとは異なり、どこにでも見られるという植物ではない。 石黒では、寄合の寄合川沿いや花坂方面、高床の道沿いなど一部の場所に限られている。 昔は植物の愛好の趣味を持つほどの生活の余裕もなく石黒ではショウジョウバカマとの区別など見過ごしてきた人が自分を含めて多かったと想われる。 しかし、ノギランの花はショウジョウバカマには遠く及ばないが、明るい緑色の葉の美しさでは勝る。 また、ショウジョウバカマは常緑性多年草であるがノギランは落葉性である。 (写真上・右下2005.8.3寄合 右上2005.5.16屋大野 右中2005.6.4寄合 ) 芽吹きの頃 写真2009.5.18上石黒 花茎をのぞかせた頃 写真2009.5.12寄合 花被片の残存するサク果と種子 写真2009.10.7寄合 冬季の地上部 写真2009.11.25寄合 |
解 説 ユリ科 北海道から九州の山道の脇などに生える多年草で、国外では南サハリンにあるのみで準固有種である。 根茎は短く、茎は強固で直立する〔下写真〕。 葉は根元から10個内外出ロゼット状でショウジョウバカマに酷似するがやや黄緑色である。葉の長さは8〜20p。葉の形は変化に富む。 花期6〜8月。葉の中心から伸びる茎は20〜50pで上写真のように枝分かれするものもある。 花は黄緑色で穂状(総状花序)につく。短い花軸の元には長短の2枚の包葉がある(下写真)。 花被6個は漏斗状になって咲き、各片は線状で長さ6〜8oで花後も落ちない(下写真)。雄しべは6個で花被片より短く子房は上位にある。 さく果は卵状の楕円体で直立して花被片が残っている〔左写真〕。種子は卵形で長さ0.7o内外(左写真)。 名前の由来は長く尖った花弁の先が芒(のぎ−稲や麦の先から出ている毛)に似ていることによる。 早春の芽 写真2010.4.30大野 ノギランのつぼみ 写真2005.8.20寄合 花軸の長さの異なる2個の包葉 写真2005.8.20寄合 種子散布後の花被片とさく果 写真2005.9.3寄合 根茎 写真2009.5.25大野 |