ニシキゴロモ | |
暮らしとの関わり 春の山に出かけて林の縁などで一休みしている時に目の前に、この草が生えていたことが何度かある。 一見、ニシキゴロモ〔錦衣〕という名に似合わない地味な植物であるが、よく見ると気品を感じる野草である。特に開いたばかりの頃の葉は鮮やかな紫色で美しい。(写真下) 上の写真のように生長してからも葉柄や葉脈にその名残りが見られる。 小型で見逃しがちな野草であるが目を近づけてじっくりと鑑賞するに値する植物の一つである。 花の色も白色から淡紫色、淡紅紫色と変化に富む。 (写真上2005.5.26下石黒 右下2005.5.20大野) 花期-1 芽吹いたばかり紫色の葉 写真2007.7.30下石黒 花期-2 写真2007.7.30下石黒 花のつくり 写真2005.5.26下石黒 |
解 説 シソ科 北海道から九州の主に日本海側に見られる多年草。日当たりのよい山地や林の縁などに生える。 根茎は短い。 茎は1本あるいは数本直立し少し縮れた毛がある。高さ8~15㎝。基部に2~3対の鱗状に退化する葉をつけるる 葉は、葉柄があり長さ2~6㎝、幅1~3㎝で対生し葉脈は紫色を帯びる(写真右下)。 花期は4~5月。白または淡い白紫色を帯びた花を葉のつけ根に数個ずつつける。ガクは5裂し毛がある(下写真)。 花は唇形花冠で長さは1~1.5㎝。花の先端は上が2つに下が3つに分かれる(写真上)。上唇は、ほぼ直立し深く裂ける。下唇は大形で3裂する〔左下写真〕。 果実は永存性のガクに包まれている。 名前の由来は葉の色が紫色を帯び美しいことなど多説ある。 ガクの毛 写真2007.7.30下石黒 花序 写真2005.5.26下石黒 紫色の若葉と花の調和 写真2007.7.30下石黒
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