ナミキソウ

暮らしとの関わり
 掲載の個体の写真は市街地の裏海岸で撮った。草藪の中に埋もれていたがコバルトブルーに近い明るい青紫色の花が目をひいた。
 花が対生する葉の付け根について両方が一方向を向いて立ち上がるように咲くのが特徴である。真正面から花冠を見ると上唇は兜〔かぶと〕のようにふくらんでいる〔下写真〕。
 裏浜の個体には茎が紫色のものが多くあったが、筆者の見た限り図鑑などの解説にはその記述はない。
 その後、鯨波海岸で出会ったものは、紫色は茎の基部が少し見受けられたのみであった。

写真2012.9.8 鯨波海岸


               花期

写真2013.6.11鯨波海岸

           花期前の小群生

写真2013.6.11鯨波海岸

            葉の様子


写真2012.7.14裏海岸

     海岸の岩上に生えた個体

写真2012.9.8 鯨波海岸

        正面から見た2個の花冠

        上から見た2個の花冠

写真2012.7.14裏海岸


解 説
シソ科
 北海道から九州の海岸の砂地に生える多年草
 茎の高さは10〜40p。地下茎〔下写真〕を伸ばして繁殖する。  茎の断面は四角形で直立して枝を分け軟毛がある〔下写真〕。鮮やかな青紫色を帯びたものも見られる〔下写真〕
 葉は短い柄があり対生して長さ1〜4p、幅1〜1.5p。縁には低い鈍鋸歯がある〔左下写真〕
 花期は6〜9月。花は短い柄のある紫色の唇形花で上部の葉の付け根に1個ずつ付き〔下写真〕、基部で折れ曲がって一方向を向き並んでほぼ直立して咲く〔上写真〕
 ガクは開花時に長さ3p、果実期には5pほどで熟すと上下が皿状に分かれる。
 分果は4個に分かれ、長さ約1.8oで半円形で丸い小突起がある。
 名前の由来は「浪来草」で海岸に生えることによる。



      全体の様子
写真2013.6.11鯨波岸

  葉のつけ根に1個つく花冠
写真2012.7.14裏海岸

        ガク
写真2012.7.14裏海岸

    横から見た花冠
写真2012.7.14裏海岸

  四角で軟毛を密生する茎

写真2012.7.14裏海岸

     太く長い根茎

写真2012.7.14裏海岸